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保険適用になったPCR検査で注意すべきこと

 そしてここ数日のビッグニュースとしては、「3月6日からPCR検査が保険適用となる」というものがありますね。この検査は、現在、唯一の新型コロナウイルス感染症の診断ができるものですが、3月6日より前は保健所の判断で「やってよし」とならなければ検査ができませんでした。これを「行政検査」と呼びます。つまり、現場の医者が「うーん、この患者さんは新型コロナウイルス感染症の疑いがある!」として保健所に連絡しても、「ダメ」と言われることがあったのですね。それが、保険適用となることで保健所を介さずに原則検査を行えるようになるのです。

 「いやあ、よかったよかった、これで一安心」でしょうか? いやいやとんでもない。注意点がいくつかあるので、お伝えしておきます。

 一つは「どこの病院・クリニックでも検査ができるわけではない」点です。皆さんの近所にあるかかりつけの内科クリニックでは、たぶんPCR検査はできません。検査自体は、鼻や口から細い棒を突っ込んでぐりぐりするというもの。そんなことをしたら当然くしゃみや鼻水が出ますから、検査を行う医師へ感染の危険があります。ですので、「個人防護具」を着用するなどの相応の対応ができるような、ある程度大きな病院でないと検査ができません。郡山市でも、数カ所の大きな病院でしか検査はできないと聞いています。具体的には、都道府県が指定する医療機関のみで行うことになります。ですので、PCR検査を求めて近所の病院に行っても「〇〇病院に行ってください」となるでしょう。

検査結果は間違えることも

 そしてもう一つは、こちらが重要なのですが、そもそも「PCR検査の精度自体がとても良いとは言えない」という点です。

 これは、どんな検査にも言えることですが、検査というものは「真実ではない結果を出してしまう」、つまり間違えることがあります。その間違いとは、「本当は新型コロナウイルス感染症にかかっているのに、陰性(かかっていない)と検査結果で出てしまう」という間違いです。これを偽陰性といいます。

 間違える頻度がどれくらい多いかということですが、これはまだ正確に分かっていません。国立感染症研究所の忽那賢志(くつな・さとし)医師は自身の記事で、「感覚的なもの」と断った上で感度を「70%くらい」としています。

 これは、実は感染している10人が検査したら、7人は「陽性(かかっている)」と出るが、3人は誤って「陰性(かかっていない)」と出てしまうということを意味します。

 医者として思うのは、これでは大した役には立たないということです。こんな精度の高くない検査を求めて病院に「疑い患者」が大挙しておしかけるのは、恐ろしいことです。