武漢の医師から届いた生々しい現状

 最後になりましたが、中国・武漢市の病院に勤務する医師への匿名インタビューの内容をお伝えします。通訳は知人の医師に依頼しました。

Q.今どんな生活ですか(勤務時間は何時から何時までか、休日はあるか)?

A.私は麻酔科医として武漢市で勤務しています。武漢市の閉鎖と公共交通機関の停止により、当院の定期手術は急激に減少しました。麻酔科医として現在、救急外来に勤務をしております。 私は本日、(午前8時から午後5時30分までの)救急日勤を終えたところです。 現在、多くの麻酔科の同僚は発熱外来と方舱病院(注1)を支援するような通知を受け取っています。

(注1)方舱病院とは市内の体育館や国際会議場など敷地の広い建物に簡易ベッドを大量に設置したコンテナ病院(野戦病院)であり、新型肺炎の軽症の感染者らを集中収容する。

Q.応援の医師や看護師は来ていますか?

A.現在、麻酔科には国内からの応援スタッフはいませんが、当院と他の武漢感染症指定病院の発熱外来に多数(3000人以上)の医療応援スタッフが来ています。

Q.今一番足りないものは何ですか?

A.医療材料不足は依然として問題です。市内の大規模な病院は現在、緊急時医療材料の整備が確立しており、短期的に問題ではありませんが、小規模な病院は医療材料の深刻な不足を抱えており、医療従事者は十分な休みも取れていません。

Q.医師の間にパニックは起きてますか?

A.医師は新型肺炎の流行初期にパニックを起こし、「限られた人から人への感染」が「人から人への感染」になったときに頂点に達しましたが、すぐに仕事に戻り、日々の診療と救命に専念しています。 現在、私たちは恐れを抱いていますが、それでも自分のできることに全力を尽くします。

Q.街の様子は普段と比べてどうですか?

A.武漢が閉鎖された後、非常に静かで車はほとんどありませんでした。もともと活気のある都市は急に静かになり、全てのレストラン、ショップ、映画館、KTV(カラオケ)などの娯楽施設はほとんど開いていません。別次元の美しさがあります。 しかし、今回の新型肺炎が市内の人々、特に飲食業と娯楽業など中小規模の店主に大きな経済的影響を与えたのは間違いありません。

 多忙の中、インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございます。武漢、加油!

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