全3717文字

広がる中国国外での感染者報告

 そんな目で見つつ、しかし韓国、タイ、日本など別の国への感染がどんどん報告されていることを考えると、徐々に広まっているのでしょう。1月28日には日本人で7人目の感染者が報告されました(厚生労働省ホームページ)。 1月28日現在、国外の感染者はこのように厚生労働省が報告しています。

  • 中国、感染者4515名、死亡者106名。
  • タイ、感染者8名、死亡者0名。
  • 韓国、感染者4名、死亡者0名。
  • 台湾、感染者5名、死亡者0名。
  • 米国、感染者5名、死亡者0名。
  • ベトナム、感染者2名、死亡者0名。
  • シンガポール、感染者5名、死亡者0名。

厚生労働省ホームページより)

 また、最新のデータは米ジョンズ・ホプキンス大学のホームページにこのように記載されています。

図は20年1月26日現在のもの。オレンジは感染が確定した患者数、黄色は感染の疑いのある患者数

 このような状況の中、私たちにできることは何でしょうか。

 その鍵を探すに当たり参考になるのは、この新型コロナウイルス感染症の特徴をまとめた医学論文が掲載された権威ある医学雑誌のランセット(The Lancet)です。入院患者の症状は、多いものから発熱、せき、息苦しさ、筋肉痛と気だるさ、痰(たん)などでした。こういうものを見つつ、医者は「なるほど、こういう症状のある患者が来たら新型コロナウイルス感染症を疑わねばならないのだな」と考えるのです。

 が、うーむ。これじゃあ他の肺炎と同じではないか。

医師にとっては判断が難しい

 もっと「特異的」な症状、例えば皮膚にブツブツが出るとか、口の中に口内炎のようなものができるとか、ほっぺが真っ赤になるとかそういうものがないと、この感染症を疑うことさえできません。

 そうなると「本人、または家族や知人が武漢に行った」ような人をチェックしていかねばとなります。しかしこれも、感染者が急増したらすぐに通用しなくなるでしょう。

 感染症と言われると「せきやくしゃみで感染する」と思われがちですが、実はこの感染症はちょっと前までは「人から人へ感染する」ことが明確に証明されたわけではありませんでした。

 感染症は何を媒介にして広がっていくかも重要で、例えばデング熱は蚊を介して広まったため、蚊を駆除するという対策が有効なわけです。そう思っていたところ、「いや、人から人へ感染する証拠がありました」という論文が医学雑誌に出ました。これはほぼ確実か……そう私は考えています。