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行動することの大切さを教えてくれた中村医師

⑤ アフガニスタンで中村哲医師、銃撃で死亡(12月4日)

 19年12月4日、アフガニスタンで井戸を掘るかんがい事業や医療活動などをしているペシャワール会の中村哲医師と、ドライバー・護衛の方が銃撃され、死亡しました。中村医師は享年73でした。

 私は医学生のとき、初めて中村哲さんの『医者 井戸を掘る』を読んで衝撃を受けました。医者の「しごと」は人の命を救うことである、その方法はなにも医業でなくてもよい。アフガニスタンに今、必要なのは、医療ではなく水である。だから私は井戸を掘ることにした――。その考え方は決して押し付けがましくなく、ごく自然に私に染み込んでいったのです。

 私が今、本やウェブサイトで医療情報を発信することは、白衣を着て病院で行う医者の仕事の延長上にあります。そういう考え方を初めて知ったのは、中村哲さんの本だったのです。ロジスティクスだけでなく本当に掘削機械に乗って作業をしていた彼から、「行動すること」の大切さを強く学びました。

 中村さんがパキスタンに赴任したのは38歳のこと。もうすぐ40歳になるこの自分の身、どう振っていこうか考えずにおれません。心よりご冥福をお祈りするとともに、ペシャワール会の今後の事業継続を応援したいと思います。

 それではまた次回、お会いしましょう。