こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。前回の記事から少し間が空いてしまいました。大学院生として所属している京都大学の卒業のための論文が大詰めを迎え、指導教官とウェブ上のミーティングやメールでのやりとりをしていました。医者としての業務をしながら大学院生をしつつ、さらに最近は作家業もばたばたとしておりました。私の初めての小説『泣くな研修医』の続編が2020年3月に出版とのことで、こちらもまさに大詰めです。出版前の校閲チェックをしており、一言一句、「うーん、これでいいかなあ」「この主人公はこんなこと言うかなあ」と思い悩んでおります。年末年始も緊急手術だらけで、すっかり休めずじまいでした。
さて、今回は「医者が選ぶ医療・健康5大ニュース」です。医師で作家の不肖中山祐次郎が、19年の5大ニュースを取り上げ、独自の視点で斬りたいと思います。日経ビジネス読者の皆様にはピンとこないニュースがあるかもしれません。そんなときは、「ああ、中山はこんなことに注目してニュースを見てるんだな」と思っていただければ幸いです。
なお、本記事はランキング形式にはいたしません。ニュースをランキングするのって、どうも違和感がありまして……。ですので順番は単に時系列です。それではどうぞ。
令和になって医者が感じた意外な「弊害」?
【医者が選ぶ医療・健康5大ニュース】
- 平成が終わり、「令和」に改元(5月1日)
- 台風の大雨で大きな被害(9月、10月)
- 消費税率10%に引き上げ(10月1日)
- 36人死亡の京都アニメーション放火事件、容疑者の容体が改善(11月)
- アフガニスタンで中村哲医師、銃撃で死亡(12月4日)
① 平成が終わり、「令和」に改元(5月1日)
皆様ご存じのとおり、19年5月から元号が令和に変わりました。これは健康・医療とは直接関係はないのですが、令和になって一番困ったことは、いろいろな書類で平成を消して令和にしなければならなかったこと。
医師が書く書類は公文書が少なくないため、慎重です。縁起でもないお話ですが、一番、訂正を必要としたのは死亡診断書でした。あれを書き損じてしまうと、役所で受理されずご家族がもう一度病院に来なければならなくなります。よくあるのが患者さんのお名前の漢字間違いです。
手書きの書類では、「一年」と書くか「元年」と書くか迷うというシーンもありました。
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