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 こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。

 さて今回は、「皆さんの近所の病院が無くなる?」というニュースの解説です。わたくし先日、東京へ日帰りで弾丸旅行をしまして、その際、日本テレビの「日テレNEWS 24」内の「the SOCIAL」という番組に生出演して本件についてコメントをしました。当欄では、もう少し詳しく、このニュースについて解説したいと思います。決してひとごとではないと思いますので、ぜひご一読ください。

 さて、「なんのこと?」という方のために少し説明をします。事の始めは2019年9月26日。厚生労働省が、全国の自治体などが運営する公立病院のうち、「再編や統合の議論が必要」と判断した424施設の病院名を突然、公表したのです。トップニュースとなり、私もびっくりしながらそのニュースを聞いていたのですが、その後、いろんな自治体の首長が一斉に不快感や反発をあらわにしました(私の把握しているだけで、兵庫県知事、鳥取県知事、秋田県知事、福岡市長、石巻市長など)。

 なかなかの大騒ぎになったのを見て、厚生労働省の吉田学医政局長が「病院そのものの〇×を求めているものではない」と説明。次いで、加藤勝信厚生労働大臣が「『唐突感があった。事前に説明してほしかった』という声は真摯(しんし)に受け止める」と話すなど対応に大慌て。大混乱となり、全国知事会・市長会などと厚生労働省・総務省で協議がもたれることとなりました。

高齢者が急増する2025年に向けた施策

 実は関係者の間でこのニュースは、これほどの大騒ぎになるとは予想していなかったようです。厚生労働省としては、これまでやっていた施策のカンフル剤くらいの気持ちで発表したのではないでしょうか。

 と言いますのも、もともと国の政策で、地域の病院を再編・統合しましょうという「地域医療構想」が14年(成立)から始まっております。これは簡単に言えば、来るべき「2025年問題」に備えて各都道府県は病院を再編・統合して効率化を図りましょう、という号令です。高齢者が増えていく中で、医療費をあまり増やさず、いかに効率的に医療を維持するかという取り組みとも言えます。

 ちなみに「2025年問題」とは、団塊の世代が全員75歳以上になる同年に、一気に医療の需要が跳ね上がるというもの。75歳以上になると医療が必要になる人がぐっと増えますからね。

 この「地域医療構想」は既に始まっているものの、実際に各都道府県が作戦を立てて再編や統合を提案するスピードや内容が、厚生労働省の思惑通りではなかった。だからカンフル剤として今回の「公立病院再編・統合」の発表につながったのだろうと私は推測しています。