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ドクハラを受けたらどうする?

 ただ、医者をやっていると患者さんやご家族から「それはさすがに失礼なのでは」と思わざるを得ないレベルの「暴言」を逆にぶつけられることはあります。私も「このヤブ医者、とっとと辞めてしまえ!」「先生は人殺しですね」などと過去に言われたことがあります。

 これは深くダメージを負います。こんな言葉を発するのは、多くは経過が悪く、亡くなってしまった患者さんのご家族などですが、そういう場合は私も八方手を尽くした場合が多いのでなおさらつらいです。が、やむなしと思うしかありません。自分の努力が足りなかった、配慮が足りなかったと思うしかないのです。

 医師からのひどい態度のことを「ドクハラ」などと言うことがあります。和製英語ですが、ドクターズ・ハラスメント、略してドクハラです。ひどいドクハラの言葉を投げかけられたときは、どうすればよいのでしょうか。法的責任を問う、という方法はそれほど簡単ではありませんが、まずは「医師に謝罪を求める」とよいでしょう。直接その医師には言いづらいでしょうから、書面での謝罪の要求でもよいと思います。

病院にある「ご意見箱」を活用しよう

 また、病院にはほぼ必ず「ご意見箱」という名前の投書箱が目立つところに置いてあります。ここに、医師に言われたことを書いて入れるのも一つの手段です。内容によっては院長や事務長など病院幹部にまで届きます。もちろん事実関係の確認はあるでしょうが、本当にひどいことを言う医師に対しては病院側としても雇っているリスクがあります。病院というところは評判が命なので、そういう医師がいるだけで病院経営に関わります。ですから、高い可能性で本人のところへ事実確認と、本当にあった場合には注意がいくでしょう。

 いや、そんなことしづらい……とお思いのあなた。インターネットで「ご意見箱 病院」と検索していただくと、とても多くの病院が、ご意見箱に入った投書の内容と、そのお返事を公開しています。「会計が遅すぎる。もっと迅速にしてほしい」「医師に『そのくらい大丈夫ですよ』と笑われた」「医師の説明がなさすぎるし、聞ける雰囲気ではない」「入院中、看護師に友達のような口の利き方をされ不快だった」などのご意見が見られます。こんなふうに書いていただいてかまいませんので、ぜひご活用ください。