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激怒する医者もいる

 このセカンドオピニオンについて、悲しい話があります。本当に信じられないのですが、セカンドオピニオンを患者さんが申し出たところ、激怒する医者がいるという話です。が、そういう小者の医者からはぜひ離れるべきです。ダメな医者ということが分かってラッキーだった、くらいにとらえていただければよいでしょう。

 はっきり申し上げておきますが、私の知る、その腕や知識が一流だと思うがん専門医の中で、「セカンドオピニオンを」と言われて嫌な顔をする医者は一人もいません。怒る医者に限って、治療方針に自信がなく、自分の能力が足りないことを他の医者に露呈することが我慢ならない人です。もしくは、医者の権威にすがることで自らを高めたい哀れな人たちです。

 ためらわず、セカンドオピニオンの意思を主治医に伝えてください。もし医者が怒ったら、このコラムを印刷してその医者に渡してあげてください。後に彼/彼女は自分の小さな器を恥じることでしょう。また、怒った医者の名前と病院を私にお教えください。それくらい私は、「セカンドオピニオンの申し出に怒る医者」に怒っています。

医者の「この言葉」が出たら転院を考える

 「医者のこの言葉が出たら、転院を考える」。このテーマについて書いてほしいと書籍の編集者さんに依頼され、私は戸惑いました。いや、一言では決められないし、そもそもそんなひどいことを言う医者などいないのでは……と思ったからです。

 よし、ここは書くのをよそう。そう思っていたある日のことです。私は東京で行われたあるイベントで司会の方のむちゃ振りにより「会場にいる方々からの質問になんでもお答えする」ことになりました。すると、「医師にこんなひどいことを言われたのだが、どう思いますか?」という質問が相次いだのです。聞けば、確かにかなりひどいことを言われている。驚きました。その中には前述の「セカンドオピニオンを申し出たら、怒られた」話もありました。

 そのイベントの後から、この「医者のこの言葉が出たら、転院を考える」を再検討せざるを得なくなりました。ここでは、正確には転院というより、主治医の変更を考えるということです。

 ずばり、この言葉があったら主治医を替えましょう。それは、「失礼だ!」という言葉です。

 これは致命傷です。医者はなぜこんな言葉を使うのでしょうか? それは「私は医者なので、敬意を払うべきだ」という気持ちの現れであり、その裏には「治療してやってるんだから、敬いなさい」という考えが透けて見えます。このような医者は、すぐに替えた方がいい。間違いありません。このコラムを医師のみなさんも読んでいただいているかもしれませんが、お伝えしておきます。あの時代は終わったのです。医師は聖職で、白衣を着ているだけで敬意を集めるという時代は。