2月11日午前(米東部時間10日夜)、バイデン米大統領は中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と初の電話協議を行った。台湾や香港・ウイグルなどの人権問題を持ち出すなど、中国に強硬姿勢で挑んだとの解説が多いが、今後どこまで行動が伴うのか。外交・通商問題に詳しい細川昌彦氏(明星大学経営学部教授)に話を聞く。(聞き手=大竹剛)

バイデン米大統領はオバマ政権で副大統領だった2013年に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談している(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

バイデン米大統領が中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と初の電話協議を行いました。人権問題を前面に押し出すなど、中国に対する強硬姿勢を打ち出しました。また先週行われたバイデン大統領による初の外交演説でも「中国は重大な競争相手」としています。細川さんはどこに注目しましたか。

細川昌彦(明星大学経営学部教授、以下、細川氏):まず、バイデン大統領の発言は額面通りに受け止めてはいけないでしょう。多くのメディアが、バイデン政権はトランプ前政権から引き続き中国に対しては強硬姿勢を取り続けると解説していますが、果たしてそうでしょうか。

 ご指摘の外交演説も、日本の主要各紙の見出しは対中強硬姿勢に焦点を当てていますが、全体で20分弱の演説のうち、中国に言及している部分はたったの30秒ほどです。

 習国家主席との電話協議で新疆ウイグル自治区や香港の人権問題や知的財産権の問題について厳しい発言をしたとの米側の発表は、中国に対してだけでなく、米議会を含むワシントンに向けて発信したメッセージとも受け止めるべきです。

どういうことですか?

細川氏:これまでも繰り返し指摘しているように、今、議会は超党派で対中強硬路線となっています。議会だけではなくシンクタンクなどを含む“オールワシントン”が、バイデン政権に対して中国に対して強硬姿勢を取るように求めています。今回、バイデン大統領は、オールワシントンが中国に対して持っている懸念について、全て相手に突き付けたというわけです。

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