深刻なフリーランスや個人事業主への影響、生活補償の拡充必要

 今、早急に救済策を講じなければ深刻な事態に陥る領域が2つある。ただし、いずれも深刻ではあるものの、新型コロナの封じ込め策の間の一時的なものだ。

 1つはイベントの自粛などで仕事が突然消えてしまって生活が追い込まれている、フリーランスや個人事業者などに対して。もう1つが、観光や飲食、イベント関連など、需要が突如消えてしまった特定業界に対してだ。

 前者については、既に出された緊急対策で、資金繰り対策として無利子融資を行うことにしたが、フリーランスや個人事業主もその対象に加えた。それは評価できるが、無利子でも借金を抱えることになる。所得が急減した者に対しては、債務を減免する措置も必要だろう。雇用されている人に対しては、雇用調整助成金を大胆に拡充することで対応は可能だが、問題はこれでは対応できないフリーランスや個人事業者だ。

 こうしたフリーランスや個人事業者に対しては、所得補償として大胆に現金給付をすることも併せて必要だ(例えば10万円単位で給付し、新型コロナの状況が続けば、追加給付)。今回学校の一斉休校に伴って学童のいる保護者に対して所得補償制度を設けたが、これをフリーランス全般に広げる工夫があってもよい。

 対象を絞った現金給付は時間がかかるとの批判もある。本来は所得急減した者を対象にすべきだが、技術的に難しければ、次善の策として所得税の還付など事後調整の方法で、時間をかけずに事実上の所得制限をするのも一案だ。制度設計にいろんな知恵が出せるだろう。

「克コロナ割」で被害業界の需要穴埋めを

 後者の需要が急減している特定業界に対しては、需要を政府が穴埋めする必要がある。

 需要対策が必要だといっても、今早急に必要なのは経済全般の需要対策ではない。そこで旅行券や食事券をといった使途を限定したプレミアム付き商品券を配ることが浮上している。これまで被災地限定で宿泊費などを国が補助をする「ふっこう割」の制度を実施してきた。これが結構好評だったので、地域限定せずに全国を対象にする。今検討されているのは観光振興策としてだが、さらに観光業だけでなく、対象業種も広げるべきだろう。新型コロナを克服するための、いわば「克コロナ割」を発行するというものである。

 もちろん、現在のような外出自粛の状況下では使いようがない。そこで新型コロナが終息し、自粛が解除された後に使用できるものにすべきだ。他方で、事業者は今すぐキャッシュが必要だ。そこで国が半額を補助するぐらいの大胆なプレミアム付きで、事前に今から販売して事業者にはキャッシュが入るようにするのがいいだろう。

 しかも旅行サイト、外食サイト、イベントサイトの民間のネット事業者を活用する。かつてのような自治体を通じてプレミアム付き商品券を配るのは、自治体に膨大なコストと手間がかかるのでやめるべきだ。

 これらはいずれも今必要とされる、目的を明確にした戦時の救済策となる。

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