かつての“空騒ぎ”も反省を

 半導体製造関連の3品目の個別許可については、これまで通り淡々と継続する方針だ。この点でも日本は何も譲歩していない。

 7月に日本の韓国への輸出管理の厳格化措置が発表されると、「韓国の半導体産業に大打撃」「世界の半導体関連の供給網に懸念」と報じられた。そういう不安をあおる論者のコメントをメディアもしきりに取り上げた。

 韓国は日本のそうした報道を真に受けて、むしろ利用して日本への反発を強め、韓国産業界も対応に奔走した。

 しかし私は当初からそれが「空騒ぎ」で、半導体生産に支障が生じることは杞憂(きゆう)だと指摘してきた(拙稿「なぜ韓国の『ホワイト国除外』で“空騒ぎ”するのか」 )。

 ふたを開けてみると、やはり影響はほとんどなく、先日、韓国政府自身も影響は限定的であることを認める発表をしている。今後も問題ない通常の取り引きについては個別許可が積み上がっていくだろう。このため、韓国はWTO提訴という拳を振り上げたことも正直、調子が悪くなったのだ。

 「WTO提訴のプロセスの中断」で、メンツを保ちながら拳を下ろしたのも当然の結果だ。当時不安をあおった日本の論者、メディアには検証と反省が必要ではないだろうか。

 いずれにしても今回のGSOMIA騒動は、いったんは収まったが、いわゆる元徴用工を巡る本質的な問題に韓国側は依然として向き合っていない。来年早々、訴訟の原告が日本企業の資産売却に動く恐れがある中で、日本には今回のような「軸がぶれない対応」が必要だ。

2019年12月19日(木)19時から、細川昌彦氏をゲストに招いたイベントを開催します

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