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日本による優遇手続きに感謝していた韓国

 特別に信頼できる「ホワイト国」とは、あくまでも輸出管理の観点で信頼できるかどうかだ。国際的には欧米主導で長い歴史を有する輸出管理の枠組みが、分野ごとに4つある。詳細は省くが、ホワイト国の対象にするには、相手国がこれらに参加していて、しかも国内で厳格に輸出管理をしていることが必要となる。

 少し経緯を見てみよう。

 1990年代、韓国はまだ国際的な輸出管理の枠組みのメンバーではなかった。私は韓国がそのメンバーに参加できるよう、各国に働きかけ、韓国にも再三足を運んで、韓国が輸出管理をしっかりできるように全面的に支援していた。その結果、韓国も国際枠組みのメンバーになることができ、韓国からも日本のそれまでの協力、働きかけに感謝されていた。それが2004年に、韓国をホワイト国に追加して特別に優遇することにつながっていった。

「EU並み」「対インドネシア並み」の手続きになる

 ホワイト国として特別優遇するためには、相手国が厳格に輸出管理をしているかどうかを確認するための協議をするのが通常だ。

 そうした協議を、日本は欧州など他のホワイト国と実施してきている。しかし近年、韓国だけはどういうわけか、日本との輸出管理の協議に応じていないようだ。政府が、「優遇した手続きの前提になる輸出管理の信頼関係が崩れている」としていることから想像するに難くない。だが、これを「安全保障の友好国でなくなった」と理解するのは、明らかに行き過ぎである。

 安全保障の友好国が「ホワイト国」であると解説している報道もあるが、そうではない。例えば、インド太平洋戦略を共有するインドや海上共同訓練をするインドネシアなどもホワイト国ではなく、個別許可が必要だ。

 また欧州連合(EU)が輸出管理のうえで特別優遇しているのは日本を含めて8カ国で、これに韓国は入っていない。多少の細かい点を無視すれば、EU並みの手続きに戻したとも言える。それでどうして「自由貿易に逆行する」との批判が各国から出るのだろうか。