全2494文字

 「どうせできないよね」「そんなの無理だよね」って思ったら、生き生きと自分で主体的に何かを始めることはできないでしょう?

 ここで考えてほしいのです。あなたは自分が世界を変えられると本気で信じていますか? 世界じゃなくても、自分が行動を起こして、会社を動かせる、変えられると思っていますか?

 今の日本では…日本に限りませんが、自分が何かを変えられると感じていない人が多いと思うんです。そのような状態は、幸せなのでしょうか。

 だから21世紀の教育では、自分で希望を持って、小さなことでも未来を切り拓く力をつけることが大事だと考えているんです。

 例えば、何かを生み出すクリエーティブな力が必要だと言われるけれど、今の学校でも初等教育まではクリエーティブを育む時間がある。けれど学年が上がるごとに減ってしまう。

 実際、今の学校が創造性を高めるのに最高の場所か?と問われれば、どうでしょうか。子どもが学校で面白そうなことを勝手に始めたら叱られますよね。クリティカルシンキング(批判的思考)の考え方は大事だと言われるけれど、クリティカルシンキングの何でも鵜のみにしないという思考で「先生、それ違うんじゃない?」なんて言ったら、怒られちゃいますよね。

 これだけ動きが速くて非連続になっている世の中に、今の学校の設計思想はフィットしていないのではないでしょうか。だから僕らは、VIVITAをつくり、千葉県・柏の葉(柏市)で子どもたちに新しい学びを提供するVIVISTOPという空間をつくりました。ここは完全に無料でカリキュラムがなく、子どもたちがアイデアを持ってくるとそれをプロジェクトにしてみんな自由にモノをつくっています。

 いつでも学べる開かれた教育システムをつくりたい

 最後に言いたいことは、「ライフロング・ラーニング(生涯学習)」の大切さです。これまでの社会では、幼少期から20歳を過ぎるくらいまではひたすら「とにかく勉強しなさい」と言われ続ける。そして今度は社会人になるとひたすら「とにかく働きなさい」と言われ、勉強する時間は全くなくなる。そして65歳になると、「引退しなさい」「もう働くな」と言われてしまう。しかし、これは平均寿命が60歳に満たなかった時代の人生の送り方を基準にしたもの。平均寿命が100歳に近づく時代になって、この学び方、働き方でいいわけがありません。平均寿命が延び、時代が大きく変わりつつあることと、現在の社会の設計、そして私たちのマインドセットが合っていないんです。

 だから僕は、時代に合った小中一貫校を来年9月にシンガポールで開校しようとしています。それを通じて初等教育の再発明をしたいと思っています。人間は学びたくなったらいつでも学び、働きたければいつでも働き、好きなときに好きなことができるという開かれた新しい教育システムをつくりたい。

 僕の子どもは6歳なんですが、宇宙に興味があります。僕も子どもと一緒に宇宙のことを勉強しているけれど、僕が子どもから教えてもらうこともたくさんあります。だから、来年つくる学校には、僕も子どもと一緒に通うつもりです。

写真/竹井俊晴(撮影は2018年7月)