居林:さて本題です。要は「次に買いたいと思っている人」がどれだけいるかが、資金流入額や総資産額で分かるわけです。例えば下のチャートです。

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これはいわゆるテーマがあるETFですね。名前からすると環境にやさしい系銘柄を集めたやつですか。左が総資産額、右が資金流入。

居林:そうです。バイデン氏が米大統領選挙に勝った瞬間から「よし、次はクリーンエネルギーだ」ということで、ものすごいお金がマーケットに入ってきました。

 ちょっと話がずれますが、テーマって大切なんです。マーケットの方向を決めるというか、投資家にストーリーを提供するわけですね。「ああ、こういうストーリーがあるから強気でいいんだ」とか、「こんなストーリーがあるから弱気にならなきゃいけないんだ」という。説得力のあるテーマがいくつもマーケットにあるときは、マーケットは強い。逆に「このテーマもそろそろおしまいだよね」となると、マーケットは弱くなる。つまり「テーマがどこまで折り込まれているのか」というのが市場の動向を見るにはとても大切だと、個人的に思っています。

 今はクリーンエネルギーとか、5Gとか、あとはコロナからの回復とか、いいテーマが並んでいるので、基調は強いはずなのです。それはいいんです。問題は流動性ですよね。いっぱい儲かった人が売り始めるのか、それとももう入ってこなくなるのか、どっちかよく分かりませんけれども、列の長さが変わるわけですよ。それを見ていないと流動性にドライブされたマーケットで、まだいけるのか、もうそろそろ危ないのか、の見極めができないと思っています。

ディズニーランドみたいですね。アトラクションに並ぶ列。あ、コロナ禍の今はどうなんでしょうね。

居林:本物は分かりませんが、イメージとしてご理解ください。人気アトラクションというのはどんどん列が伸びるわけです。なので、「ちょっと長いけど、あと1時間したらもっと長くなっちゃうから並んでおこうか」と、まず思うわけです。

今けっこう株価高いけど、このあともっと上がるし、と。

まだ列は伸びている?

居林:そうそう。株式市場の流動性についてはこういう数字を見ておくと分かるわけですが、今のここ3週間ほどの動きを見ると、ご覧の通り資金流入は止まっています。いいことでもあり、悪いことでもあります。というのは、新しい資金は入ってこないけれど、まだ手持ちのETFを売ってはいないんです。

まだ売っていない。列には並び続けている。「売っていない」ことをなんらかの数字、グラフで見せることは可能でしょうか? 

居林:資金流入がネットなので、売り買い相殺で資金流入がゼロなのか、売っていなくて買っていなくてゼロなのかは分からないのです。しかし、一般投資家合計としてはゼロで横ばいなので売っていないという解釈でいいのではないかと思います。そのあとの週の数字でわずかながら新規流入は増加に転じているように見えます。

 左側のチャートは総資産額ですから、下落しているということは価格では20%ぐらいやられているんですね。にもかかわらずみんな売ってない。まだ頑張っている、耐えているんですね。新しく後ろに並ぶ人はいない。でもまだ大丈夫だと思っている。悪いことでもあり、いいことでもありますね。

つまり「後ろに並ぶ人がいなくなってきたけれど、待っていればそのうち伸びるだろう」と考えている人がまだ多い。手放し始めるのは「これ以上待っても誰も並ばない」とみんなが考え出す時=流動性が失われてくる、いうことですね。

居林:もう1個いきましょうか、米国民は去年12月に成立した追加経済対策で1人600ドルもらったわけですね。その前にコロナの最中に2000ドルもらっているわけです。さらにバイデン大統領が先々週署名して成立した1.9兆ドルの経済対策で、もう1400ドルもらえる。

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うわー、いいなあ……合計4000ドル、ざっくり40万円かあ。

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