居林:冒頭の日経平均と予想EPSの図に戻ると、この図を見てぱっと思うのは、業績は1回底入れしたように見える。コロナ第2波が来ても、たぶん(EPSが)1200は守れそうだねと私はリーディングします。

 じゃあ、1400というのは不可能かというと可能だとは思うんですね。じゃあ、それを認めてあげようということで、ここで強気派の居林と弱気派居林が分離して、戦いを始めるわけです。

 強気派としては「1400のEPSってあるでしょう、全然」と言うわけですね。それに対して弱気派居林は、ああ、そうだよね。そこは譲ってあげよう、1歩譲ってよしとしよう。それを、じゃあ、受け入れたとして今の株価ってどうなんだっけというと、このえび茶の線が1400まで戻ると、やっぱり2万2000円ぐらいじゃないという再反論を弱気派居林はするわけですね。

なるほど。

居林:「そうすると今2万3000円だよね。ということは2万3000円を肯定するにはもっと上がらなきゃだめじゃない、1500ぐらいのEPSがいるよね。そこまで戻る、つまり、コロナ禍があったときのほうが企業業績が良くなると言わなきゃいけないんだよ」と(笑)。
「それって強気過ぎない?」という弱気派居林が再反論を行うわけです。

さすがに無理じゃないという感じで。

居林:そしてここからが大切です。そこで普通は納得するじゃないですか、正直、自分も納得しているんですよ、でも……。

でも(笑)。

居林:あえて再反論をする。

何と(笑)。

居林:強気派居林が再度頑張る。というのをやるのが大切です。

パニックに陥ることを防ぐ唯一の方法

居林:なぜかというと、そこでもう一歩二歩踏み込んで思考を進めておけば、仮に強気派の予想が当たってマーケットが上がったときに、「ああ、おそらくこういう理由で上がったんだな、でも長期的には違うと思うんだけどな」と、動揺しなくて済むんです。

自分は買わない。でも、買っている人はたぶんこういう理由で買うよね、それもそれで分かるよね、みたいな。

居林:そうです。どうしてそう思うことが重要なのか分かりますか?

え、あ、「マーケットの動きが自分の考えと違っていても、動揺して自己否定に走るのは誤り」だからですか。

居林:そうなんです。自分が正しくないと思う理由でも株価は上がるからですね。「こういう理由で上がっているんだというんだったら、僕はその論は否定するから投資判断は変えない」と考えるわけです。

 もしも、まったく新しい論が出てきて、そこに「あっ、これは知らなかった、考えてなかった、しまった、これは僕の弱気論を吹き飛ばすぐらいのインパクトがある」と思えば、そこで投資判断を変えるんですよ。

これがさっきの問いの答えなんですね。自分の考えの外にある、正しいと思える論理があれば投資判断を変える。あっ、そうなると、自分で強気派、弱気派の思考をきちんと考えておくことの重要性も分かりますね。

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