現状は明らかに高すぎる? そうでもない?

居林:自分の中で強気派だとして、マーケットが弱気に触れたとしましょうか。その場合、前もって相場が弱気になるとすればその論拠を自分の中で考えておくわけですよね。その通りに弱気になったとすれば、それは自分の投資判断の範囲内な訳です。なので、投資判断の間違いとは私は思わず、マーケットの動きが結局は時間が経てば自分の予想通りになる過程であると思います。

 さて、実際に強気派と弱気派の思考を追ってみましょうか。連載をご覧いただいている方はご承知の通り、私は3月3日付の「新型コロナショック、市場は悪材料を織り込み済み」では「ここからは強気で行ってよいのではないか」という立場でした。また、4月30日付(「新型コロナショックは投資機会か?」)では日経平均の水準自体はあまりに早い回復なのではないかと見ながらも、個別銘柄では「売られ過ぎて放置されている銘柄も多い」という立場でした。今回はすこし弱気に転換しています。

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いつもの日経平均(濃い茶色の線)と、「株価の関数」と居林さんがいつも言っている、予想利益の推移(えび茶色の線)ですね。

居林:2019年、米中貿易問題で1回予想利益が株価の下にいって、その後、米中間の問題が解決した、ということになって年末にすごく上がって、そこからコロナショックで落っこちてしまった。もともと予想利益から見ても高かった分を吐き出して、極端に下に突き抜けちゃったんですね。

そうして、また一気に戻ってこの前2万3000円を超えました。えび茶と黒の乖離がものすごいことに今なっているわけですよね。

居林:はい。

ということは、これは早晩株価のほうがどかんと下がってくるということになるんでしょうか。

(後編に続きます。明日掲載予定です)

(※記事中の図の出所はすべてUBS)

■変更履歴
記事掲載当初、本文中で「失点しない試合の一部」としていましたが、正しくは「失点も試合の一部」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2020/06/25 11:15]
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