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不動産は急には止まれない

居林:怖いのは「不動産は急に止まれない」ことです。すでにそこに存在するスペースは、なんとかビジネスで使ってもらわなければならないですし、2023年には大量のオフィスビルが供給されます。途中で止めるわけにはいかない。ショッピングモールも、いろいろな人がたくさん来る楽しい空間ですけれど、「社会的距離を保ってショッピングモールで買い物をする」というのも、なかなか難しそうな気もします。

現状、スーパーでさえ「人が入り過ぎだ」と問題になっているわけですから。ショッピングモールに入場制限が当たり前になったりするのでしょうか。うーん、あまり面白くない世の中になるのかな。

居林:いや、そこを決めつけるのは間違いです。例えば、今まで誰が何を言ってもびくともしなかった通勤ラッシュが、経済的に多大な犠牲を払っているとはいえ、ついに「解消」しているわけです。対策として、とうとうテレワークが実際に使われ出した。私もオンライン会議ってあまり好きではないんですけれど、新型コロナ対策として使わなければいけないというか、使うきっかけになっている。オンラインバンキングなんかもそうではないでしょうか。

なっていますね。

居林:個人、企業、社会全体に大きなショックを与えることによって、善かれあしかれこれまでの経緯を飛び越えた、非連続的な変化を生み出していく、というのが、新型コロナの社会学的な側面だと思うんです。これを見逃すべきではないと思います。当社は日本の経済成長率をマイナス5.5%と、リーマン・ショック並みに予想していますが、社会の変化は今回の方がより大きいだろうなと。

隕石が落ちてきた、みたいな。

居林:そうそう、そんな感じですね。知恵を絞って氷河期を生き残った人たちが栄えるわけですよね。

その前に恐竜世代が絶滅しますが……。

居林:飲食や小売りの話をひとつ取っても、大きな変化を予想することは容易と思います。ご自身の身の回りで「こういうふうに変わるんだな」と考えて、投資アイデアに結び付けていけば、先ほど申し上げたように、ものすごく売られている銘柄の中からいくつかピックアップすることはできるのではないかなと。

 いずれ、私たちが普通の生活に戻れる日はやって来る。それを前提に、でも変化はあるよねと。それをどういうふうに考えるかというのが今のポイントだろうと思っています。