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戻り値を取るチャンスあり

居林:はい。この後いよいよ実体経済、企業業績へのインパクトが出てきます。米国で先週から出ている決算を見ると、まず、消費の大きな落ち込みに当然ながらつながります。これはどうしようもありません。人の接触を抑える、「封鎖経済」にしなければ新型コロナは収束しないのですから。いったんは、「肉を切らせて骨を断つ」ことを受け入れるしかないと思います。

市場はその影響をどう受けるのでしょうか。日経平均は3月19日に年初より3割ダウンしたものの、早くもその半分を取り戻しました。リーマン・ショック時よりもペースが速いですね。

居林:問題はそこです。これで現状の株価が低ければ何の問題もない、といいますか、ある意味正常なのです。常々申し上げていたように、業績と株価はリンクしていくのが筋だと思いますので、「業績がこれから悪くなりますか」「はい、悪くなりそうです、株価もよって悪くなります」と。ところが、おっしゃるようにすでに半値を戻した。「ちょっと早いな」という気はしております。確かに、「知ったらしまい」で市場に新型コロナインパクトが一度織り込まれたので、ここは買い場なのかと言われると、ちょっとしばらくはレンジ相場が続くかも。そんな気がしています。

居林:それでは、株を買うのはちょっと待ってとなりそうですが、そう単純ではなさそうです。コロナ一巡後の戻りを取りたいと思っている投資家は多いと思います。そんな株式市場をつぶさに見る今のマーケットは、大幅なプラスの銘柄と大幅なマイナスの銘柄が併存していることは注目に値します。年初来からのマーケットのリターンはマイナス15%ぐらいなのですが、プラス10%以上の銘柄もかなりあり、全体を引っ張っている。その一方で、マイナスの銘柄もすごいことになっている。「格差が広がった」と言ってもいいかもしれませんね。これは今回のリバウンド局面の特徴だと思います。

 こういう局面なので、銘柄選びを工夫すればチャンスは十分にあると思います。簡単に言うと長期目線でやることですね。この後、例えば新型コロナの第二波、第三波が来て、株価も一時的に二番底、三番底をつけるかもしれませんが、それは同時に世界の「コロナ後」への動きを加速するでしょう。新型コロナの感染が沈静化した後の世界で成長する企業に投資するのか、それとも目先は厳しいけれども今回の嵐を切り抜ければ疲弊しているライバルよりも先に行ける企業を探すのか、という点が私の今の論点です。

 前提として年末の株価は、私は「2万2000円」ターゲットを据え置いております。そのぐらいまでの間で取れる銘柄というのはまだあるだろうなと、そんなふうに思っています。

今上がっている銘柄は、コロナショックで利益を得られそうな、例えばドラッグストアや、ビデオ会議システムの会社とかですよね。

居林:買い手の関心が集中しているのはそういう企業群です。今はまさにコロナショックのど真ん中なので、それはそれで悪くないと思いますし理解もできます。ただ、新型コロナとの戦いは、先が見えにくい消耗戦です。ある意味体力勝負で、事業者も投資家も、そのふるいに掛けられてしまう。