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取りあえず金融危機は避けられた

とんでもない世界がやってきました。今回は連載初のオンラインインタビューです。どうも勝手が違うのですが、居林さん、いつもの調子でよろしくお願いいたします。

居林:……いつもの調子か分かりませんが、まずは前々回にお話しした「日経平均2万1000円台は十分に割安」という分析は、残念ながら新型コロナが米国でここまで猛威を振るうとは考えていなかったと言わざるを得ず、残念ながら早過ぎるコールになりました。死者数で見ると欧米・米国が中国・その他のアジアの国を大幅に上回っているのは今後の解明を待ちたいと思います。

 それでも、「新型コロナは中期的には封じ込めが可能で、長期的に社会が対応可能な脅威だ」と考えています。年末から来年にかけては株価は企業業績の大幅な戻りを背景に上昇していくでしょう。今回の問題は足元1~3カ月の見通しです。

 次に、市場の現状を整理したいと思います。端的に言えば「金融危機があるのかないのか」という瀬戸際に1回立たされ、中央銀行が素早く動いたことによって、その恐怖感が拭われ株価が反発した、という状態だと思います。

分かりやすいです。そんな感じでお願いします。

居林:……米国の例でいえば、ちょうどリーマン・ショック時に制定された金融安定化法の枠組みがあって、それをさらに拡充した「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES法)」、総額約230兆円を出したことが大きい。それに加えて4月10日にハイイールド債、すなわち格付けが投資適格でないものも250兆円買うという決定をしました。ハイイールド債の市場が崩壊すれば金融危機になるかもしれない、という大きな懸念を解消したわけです。

日本はどうだったのでしょう。

居林:こんな感じです。新型コロナまん延によるマイナスを、政府の政策がなんとかプラマイゼロに食い止めている。やじろべえが辛うじてバランスを保っているようなイメージですね。

あ、これはやじろべえでしたか。

居林:頑張ってやじろべえにしたつもりなんですが、いまいちでしたでしょうか、とはいえ、含意としては、企業の連鎖倒産や、日本初の金融危機は避けられたと言っていいかと思います。が、安定した状況とはもちろん言えない。

 新型コロナはこれからも何度かの流行が起きる可能性があります。それに対しては基本的に、政府が対応・支援を行うしかない。問題は、これをずっとは続けられないことですね。人々がある程度の経済活動、今の中国ぐらいですね。平常の60%から70%、ところによっては80%回復ぐらいの経済活動までは戻さないと、中長期では持ちません。言い換えれば、それができるようになるまでは政府がカバーするしかないというのが私たちの意見です。

なるほど。急激な危機は避けられたけれど、最低でも6、7割の経済活動を維持できないと長くは持たない。