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居林:端的に言うと日本株はまだ割安かというと、もう割安じゃない。より正確に言いますと、割安なものと割高のものがあり、足してみるとフェアバリュー、割安ではないんですね。

全体として「お得な買い物」をするのが難しくなっている。

上値は2万5000円、春までに下値を試すか

居林:具体的に日経平均がどう動くかをお話ししましょう。上値は2万5000円。この問題は簡単に言うと、外国人投資家が日本のマーケットに帰ってくるのか、という問題に帰結します。

 私は19年の前半から「今年は帰ってきますよ」と言っていました。2兆円ぐらい帰ってくるんじゃないかと。8月に「2兆円返ってくれば日経平均2000円上がります」というリポートも作っていたんですが、結局4兆円返ってきました。

アベノミクスが始まってから買ったものを全部売って、その後4兆円戻った。

居林:いやあ、よかったよかったと思うんですが、どうでしょう。これが8兆円いくんだという発想は……可能性はあります。見渡してみると、貿易問題が一服しています、ブレグジット、取りあえず片付きます。「それでいいのかどうか」は横に置きまして、不確定要素が減った。だから、株価が上がるんだ、という理屈は理解します。理解しますので、あと1000円ぐらい上値はあるかなとは思います。

だけど、いい材料は相当織り込んでいることが先行指標から読み解けるから。

居林:はい、時間の問題でもう1回下にトライしに行く方が確率的に高いと思います。6対4、もしかしたら7対3かな。株価がさらに上に行ったら、徐々に「これは天井に来た」という私の確信は高まります。

 いつもの日経平均と業績予想(※)ですが、以下のようになります。業績予想は低下傾向にあるのに株価は高値トライをしています。

※アナリストの1年先の業績予想に基づくEPS(1株当たり純利益)を用いている

日経平均株価と業績予想の推移
(出所:Bloomberg、UBS)

居林:そういえば最近気づいたのですが、私、だいたい口に出すのが他の方より3カ月ぐらい早いのですよ。

確かに、そのくらいのタイミングで「あれ、前に聞いた話が新聞に載ってる」って思うことがあります。

居林:それはさておき、日本株にお金が入ってきたのは、「他の市場が割高に見え始めたから」ということもひとつの理由だと思います。過去10年のPERと現在のPERの位置を世界の主要な株式市場でやってみると、多くの市場で株価バリュエーションが過去平均をPERで10~20%上回っている。これは投資家の期待値が高い、言い換えれば楽観論に振れていることを意味していると思います。来年は大統領選挙もあり、民主党の各候補はかなり過激なことを言っています。そちらも注意すべきでしょう。

世界の主要市場のパフォーマンスと過去10年間の平均PER
(出所:Bloomberg、UBS)

ということは、今年の3月くらいから「そろそろ天井じゃないか」という声が出てくるかもしれませんね。その辺も併せて、新年の市場を見ていただければと思います。