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居林:2020年、あけましておめでとうございます。

新年、おめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。さっそくですが、2020年の株式市場はどのように動くか、居林さんの予測をお聞かせください。

居林:はい、その前に、1年前を振り返ってみたいと思います。

2018年の暮れですね。今から1年ほど前には「クリスマス暴落」という今とは真逆の事象がありまして、「リーマン・ショックの再来」を案じる問い合わせが、居林さんの元にいくつも来ていたのでした「(『クリスマス暴落』はトランプがくれた投資機会)」。

居林:2018年12月24日のニューヨーク市場ダウ平均は653ドル安の2万1792ドルで開け、東京市場は1年3カ月ぶりに2万円台を割り込みました。そのときに「クリスマスプレゼント」と思っていたのですが、当時の読者の皆さんの感想からすると、本当に? という感じだったように記憶しています。

居林さんはどう分析したか。「市場は『晴れ、ときどき台風』」の記事から引用しますと「ここはパニックに陥らず『インデックスレベルで買い』だと思います。ついに来た。今年(2018年)の3月の安値を大きく切り下げ、来年の懸念材料の多くを前倒しで織り込みに行ったと思っています。本欄を読んでいただいている方には、胃薬をご準備のうえ、ご自分のリスク許容度に合わせた投資タイミングが来た、と見ていただきたいですね」と。

投資家の見識を試す年に

居林 通(いばやし・とおる)
UBS証券 ウェルス・マネジメント本部 ジャパン・エクイティリサーチ・ヘッド エグゼクティブ ディレクター

居林:2019年はそんなことを考えながら始まった一年でしたね。その後、紆余曲折がありながら結局はトランプ政権は米中貿易問題に道筋をつけ、中国は景気対策を行い、日本株には年の後半になってようやく資金が流れ込んできました。

 こちらで「市場は『晴れ、ときどき台風』」の連載を始めたのが2016年の2月でした。安値のどん底で始まって、どんどん上がって、その後「ここから下がるよ」「上がるよ」というサイクルを、ちょうど2度経験したところでしょうか。連載の中で私の市場に対する捉え方は随時ご説明してきたと思いますが、今の段階での私の読みは、2020年は、私を含めた投資家にとって、「自分の市場に対する見識を試される年」になると思っています。

それはつまり、読みにくい年になるということですか?

居林:はい、読みにくく、結果としては厳しい年になると思っています。

でも、相場は上げ調子で、米中貿易摩擦も一段落、金利も低下、と、いい材料はいくつもありますよね。

居林:それはその通りです。しかし、なぜ厳しく見ているのかというと、そのような楽観材料が株価にはすでに入っている、と思っているからです。

おお。

居林:根拠は後ほどお話ししますね。なので、どこかで日本株市場は調整をすると思いますが、日本株だけではなく世界株が、昨年と打って変わって強気なので、機関投資家としては降りるに降りられないという状況でしょう。