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居林:本当に構造的な変化があって、将来が真っ暗になることももちろんある。だけど、目先の業績でみんながパニックになっているときに「待て待て、将来価値はどうなんだ。お先真っ暗にならない可能性もあるんじゃないか?」と考えてみる。いくら考えても、当然リスクはありますよ。でもそれが「取ってもいいリスク」のときもある。五分五分のリスクは取ってはいけません、丁半博打と変わりませんから。でも6:4なら取る意味はあるかもしれない。7:3の状況が見えるかもしれない。これがこの連載でずっと言っていた話です。

その面から、孫さんの投資を見るといかがでしょうか。

居林:SBの未来価値、将来の価値をどう見るかというご質問ならば、最終的には孫さんの底力を信じるかどうかですよ。確かにウィーワーク(WeWork)で失敗はした。けれども、時代の流れはシェアードエコノミー、もっと簡単に言えば「小分け」に行っているかどうかといえば「行っている」んじゃないか。もちろん個別のご判断ですが、孫さんはそちらに賭けて、しかもそれを事業として成り立たせるだけの企業経営力があるだろう、と、思うかどうかですね。

しつこいんですけれど、8000億円損失を出しても。

居林:将来価値、フューチャーバリューが問題なのだと思います。孫さんの気持ちを推測するなら「8000億円損失を出した」ことを言うなら、アリババからの話もするのがスジでしょうと。

アリババは6兆円儲かっているけど、それも考えようと。

居林:今回はいろいろ合わせて2兆円損をしたけど、まだ儲かっているでしょう、と。

価値は未来にしかない、台風の先は晴れる(かもしれない)

なるほど。今の数字を記事にしたい記者と、将来価値の話をしたい孫さん。説明会のやりとりでの、何ともかみ合わない感じはその辺からきているんですね。

居林:考えなきゃいけないのは、ウィーワークで8000億円を損しました。はい、そうです。でも株式市場は期待値で動いていると思うのです。「知ったらしまい」だと思っています、マーケットに対することは。

ううむ。

居林:マーケットの格言を1個挙げろと言われたら、私は「知ったらしまい」を挙げます。マーケットは常に常に常に未来価値、フューチャーバリューなので。上場している会社のフューチャーバリュー、これからつくりだす価値がいくらあるんだということをマーケットで予測しているのが株式市場なんだという認識を持ってほしい。そうするとゲームのルールががらっと違って見えるはずですよ。

(資料を取り出して大嵐の写真のページを開き)孫さんにはこういう世界が見えているんでしょうか。

居林:ドラマチックですね。大雨、台風、でも最後には順風満帆です(と、青空のページを開く)。

「ときどき台風ですね」という。

居林:ときどき台風なんですよ。台風のときに「ときどき台風」と考えるかどうかです。いいポイントですね。

 今回までしばらくは、投資のスタンス、考え方をまとめとしてお話ししました。来年以降はかなり相場がハードな様相になりそうなので、いったん復習をしていただいた、というところです。次回以降はまた相場の動向を読み解きながら、折に触れてこういうお話もしていければ、と思います。

新春相場予測も新年企画として掲載予定です。それでは皆様、よいお年を。