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市場は、貿易戦争、選挙に消費税引き上げと、マイナス要素てんこ盛りですが。

居林:はい。「株価は、業績の関数である」とこのコラムで何度もお話ししてきましたが、現実には、いま日本株は日本企業の業績のトレンドラインからおおよそ10%強、下に乖離しています。

 これをどう考えればいいのか。私の業績予測が間違っていて、企業収益が今後10%強低下する、のかもしれません。

その場合には、株価はさらに10%以上下がるのでしょうか?

居林:そうかもしれません。しかし、「業績予想の下方修正→株価下落」というサイクルが発生してしまったとしても、どこかに下値というものがあると思います。

それは興味深いです。どの辺にあるんでしょうか?

居林:こちらのグラフを見てください。

株価と1株当たり純資産の比較
出所: Bloomberg, UBS 過去の実績は将来の動向を示唆・保証するものではありません

上の黄色い線は株価(TOPIX)ですね。下の茶色の縦棒は……1株当たり純資産(BPS、Book-value Per Share)ですか! 株高だけ意識していた間に、資産もこんなに積み上がっているんだ。

投資家たるもの、バランスシートも見るべし

居林:Yさん、BPSは何を意味しますか?

(ドキっ)ええと、企業のバランスシート(貸借対照表、BS)上の「資産-負債(=純資産)」を、発行済み株式数で割ったものですね。

居林:では、純資産は何を意味していますか?

色々な説明があると思いますが、分かりやすいのは、純資産は企業の「解散価値」、という考え方ではないでしょうか。いま、この時点でいきなり会社を畳むとして、工場やら機械やら「のれん」やらの「資産」を売却し、返済義務のある借金=「負債」を払い終えると、バランスシートに計上された数値が正しければ、純資産分が現金で残る、はず。マイナスならその分払いきれなかった借金が残る。合ってます?

居林:はい、正解です。となると「下値」の見当もつきますよね。