個人投資家が同じことをやってみるには?

居林:はい、我々のように情報端末に囲まれる職業でない方は、UBSのお客さんになっていただくのが一番ですが(笑)、そうはいかない方は、例えば日経QUICKニュース社のコンセンサス(こちら)がありますね。銘柄を絞り込んで集計したら同じようなことができるんじゃないかと思います。

銘柄数はいくつくらいでしょう。

居林:そうですね、製造、サービスで50、余裕があれば100銘柄くらいを追いかける。週に一度でいいのでエクセルなどに入れていくとよろしいと思います。予測が動いたら、動いた銘柄は何か、なぜ動いたのだろう、ああ、売り上げがここで減速したか。他でも同じことが類似業種でぽちぽち起きるんじゃないかな。次に来るならどこかな?と、先が見えてきます。

 ここでも、大事なのは率ではなくて絶対値です。それと、会計処理の変更、M&A、減損などで、どかんと個別企業の数字が動くと平均値もずれます。そういうイベントが起こった企業は別にカウントしたほうがいい。会計年度の変更もやっかいですね。フラグを立てておきましょう。そうそう、詳しく説明はしませんが、金融機関はややこしいので外した方がいいです。

ああ、ということは、個別企業の業績予想までする必要はない。

居林:そう。でも、予想が動く様を見ることは個人投資家でもできると思います。仕事としてやるなら、個別の企業分析をやることは重要だと思いますけれどね。

 業績予想は、しょせん他人が考えたものなので、自信を持つのは難しいけれど、見ていると、「あたり」がつくようになる。株価は「業績予想」の関数、それではアナリストは「予想」どう作り、市場はそれをどう株価に反映してゆくのか?、そこには意外に技術的な論点がある。今回はそういうお話でした。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

春割実施中

この記事はシリーズ「市場は「晴れ、ときどき台風」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。