池田さんご自身もポジティブに社会課題を解決しようとしている起業家の一人ですが、どんな子ども時代を過ごしてきたのでしょうか? ご両親の教えで今も大切にしているものは?

池田:僕の父は大工で、母は専業主婦。親戚も商店主が多くて、スーツを着て毎日出勤する会社員という生き方を示すモデルが身近にいないまま育ちました。僕も高校を出たら大工になるものと思っていたのですが、高3の夏になって親父(おやじ)が「お前は大工に向いていない」と(笑)。遅いよ!と思いながら、慌てて大学受験について調べて、なんとか入り込みましたが、いわゆる「高学歴」ではありません。

 こんな具合でしたので、「勝ち組」や「出世」という概念ははじめからなく、両親から「勉強しろ」「この仕事に就け」という発言は一度もなかったと思います。良くも悪くも、自己責任。言い換えれば、自分次第でどうにでもできる。そんな人生観が早くから身についていました。

誰かに用意されたレールに乗るのではなく、自分で決めて歩む。その連続だったのですね。

池田:はい。自由に野放しにされて育ったのはよかったと思います。「こうあらねばならない」というプレッシャーがない分、仕事をやればやるだけ力が身につき、収入が上がって、関わる人間関係も広がって。前進イコール上昇、という感覚を面白がりながら今に至ります。

池田さんの今後のチャレンジが楽しみです。最後に、池田さんにとって「子育て」とは?

池田:僕にとって子育てとは、自分と向き合う「鏡」です。僕が子どもとどう接したかによって、子どもの育ち方は確実に変わる。遺伝がない親子関係だからこそ、そのことを強く意識しますし、日々成長する息子の姿を見ながら“自分自身”を見せられているなぁと感じています。

 自分を客観視する「メタ認知」ができているかを、さらに客観視することを「メタメタ認知」というそうですが、僕のメタメタ認知力は子育てが始まってからの1年8カ月の間に磨かれた気がします。

 「人は強みによって尊敬され、弱みによって愛される」というのが僕の座右の銘です。親だからといって、カッコつけるわけでもなく、取り繕うわけでもなく、ダメなところも含めてありのままに、どんな生き方をわが子に見せることができているか。息子を通じて、自分自身も磨き続けていきたいと思います。

10年以上に及ぶ不妊治療を経て、特別養子縁組で第1子を迎えた体験をつづった著書を2020年9月に出版。妻・麻里奈氏との共著。 『産めないけれど育てたい。』(KADOKAWA)
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本連載をまとめた『気鋭のリーダー10人に学ぶ 新しい子育て』(絶賛発売中)
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本連載「僕らの子育て」が本になりました。新しい時代を担う若手経営者たちや、様々な業界のプロフェッショナルたちが、どのように「育児」と向き合っているのか。2018年8月に発売した『子育て経営学 気鋭のビジネスリーダーたちはわが子をどう育てているのか』の続編。絶賛、発売中です。

■登場する10人のプロフェッショナル

佐々木大輔氏   freee CEO
沢木恵太氏   OKAN代表取締役CEO
森山和彦氏   CRAZY社長
谷田優也氏   ウェルプレイドCEO
長内孝平氏   ビジネス教育系YouTuber
宝槻泰伸氏   探究学舎代表
井手直行氏   ヤッホーブルーイング社長
仲山進也氏   楽天大学学長/仲山考材代表取締役
武田双雲氏   書道家
為末大氏   Deportare Partners代表/元陸上選手
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