武田:我が子に対して「すごい」と素直に思えるんですね。

井上:思えるどころか、子どもって本当にすごくありません? あの成長スピードに、僕ら大人は全然追いつけない。圧倒的な加速度やベクトルを見せつけられて、「オレは知識で対抗するしかない」と思ったんです(笑)。

武田:沢木さんは休校中の勉強のサポート、何かされましたか?

沢木氏(以下、敬称略):せっかく時間ができたので、学校の勉強以外の経験を拡充する意識のほうが強かったですね。先ほど話したアトリエもそうですし、長女が歴史好きなので大河ドラマの長編を見せてあげたり。本当はお城めぐりができればよかったのですが、ステイホーム期間だったので家の中でできることをいろいろ考えていました。

武田:では、皆さんに次の質問です。ズバリ、このセッションのテーマである「子育てと経営」について共通点や相乗効果を感じることはありますか?

土岐:僕の場合は、子育てを始めてからの課題意識がそのまま起業のテーマになったようなものなので、まさに不可分ですね。さらに経営との共通点で言うと、全体のバランスが大切だなと感じます。企業も家庭も、それを構成する誰か一人だけが幸せになっても持続しないので、全体の幸せの調和をとることが重要。例えば、妻が少ししんどそうだなという時期には僕が転職しましたし、必要な時期には義父のサポートをお願いしました。

武田:ちなみに、子育てにおける奥さんとの役割分担はどのように? 家族外の手を借りるときにはどちらがリーダーシップを取るのですか?

土岐:家庭においては妻がトップで僕が平社員くらいの関係です(笑)。妻がやりやすいように決めてもらうのが一番平和ですから。僕はそれが実現するようにお金を計算したり、スケジュールを整えたりする担当です。そのほうが得意なので。

武田:奥さんがCEO(最高経営責任者)で、土岐さんがCFO(最高財務責任者)のような関係ですね。

土岐:そんな感じです(笑)。最近は子どもが育ってきて、マネジメントの悩みのアドバイスもしてくれるようになりました。

武田:お子さんから?

土岐:はい。僕が保育園に関する事業をしていることは子どもたちも理解しているので、「最近、こういう人事の問題で考えていてさ、どう思う?」とあえて意見を聞いてみるんです。すると、「お父さん、自分のことを守ろうとしていない?」なんて返されたり(笑)。

武田:最高のアドバイザーですね。他の皆さんはいかがでしょうか。ご自身の仕事内容についてお子さんは理解していますか?

井上:うちはまだ正確には理解していないかもしれないです。というか、僕自身も自分の会社の全容を分かっていないかも(笑)。大学の研究室に通っていた頃は「ネズミのケージの交換が大変だ」とかよく話していたから、どうやら「うちのパパはネズミの飼育員だ」と思っていたみたいです。まあ、だいたい合っているからいいやと。

リバネス代表取締役副社長CTO・井上浄氏(写真中央)は「とにかく信じる」をモットーに子どもたちと向き合う
リバネス代表取締役副社長CTO・井上浄氏(写真中央)は「とにかく信じる」をモットーに子どもたちと向き合う