土岐:いいですね。でも、部屋数の多い広い家じゃないと無理じゃないですか?

沢木:いえいえ、うちは2LDKの狭い家です。どうやって実現したかというと、僕と妻のベッドを捨てることから始めました。寝室として使っていた部屋を、娘たちのアトリエにしたんです。

井上:マジですか、すごい!

沢木:今はリビング脇の畳スペースに布団を敷いて寝ています。発案は妻なのですが、確かに子どもが没頭できる空間をつくってあげることは大事かもしれないな、と思ったんですよね。以前、ノーベル賞受賞者が「幼少期には『外で遊んできなさい』と家を閉め出されていました。何も持たなくても、自分で遊びを考える癖がついて好奇心が育った」と言っていたのを思い出して。うちもやってみようかと夫婦で決めたんです。

武田:井上さん、研究者の観点で今のお話をどう思いますか。

井上:すごくいいと思います。集中できる空間を丸ごと提供する、なるほどなぁ。きっと、ご飯も忘れるくらい没頭しますよね。

沢木:そうです、そうです。親が入ろうとすると「出て行って」と言われます(笑)。

武田:井上家でも近い取り組みを?

井上:すみません、できてません(笑)。ただ、僕が考えていることや関心事は全部言います。基本的に、僕のスタンスは対等な友達関係に近いので。アトリエ、僕も欲しいな……。

川口:アトリエ、いいアイデアですね。ものを作って壊してという、創造と破壊を繰り返す遊びって発達にもいい影響がありそうです。それに、奥さんの精神衛生にもよさそう。

沢木:おっしゃる通りで、リビングが散らからなくなりました。

武田:素晴らしいアイデアシェアをありがとうございました。

(後編に続きます)

本連載をまとめた『気鋭のリーダー10人に学ぶ 新しい子育て』(絶賛発売中)
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本連載「僕らの子育て」が本になりました。新しい時代を担う若手経営者たちや、様々な業界のプロフェッショナルたちが、どのように「育児」と向き合っているのか。2018年8月に発売した『子育て経営学 気鋭のビジネスリーダーたちはわが子をどう育てているのか』の続編。絶賛、発売中です。

■登場する10人のプロフェッショナル

佐々木大輔氏   freee CEO
沢木恵太氏   OKAN代表取締役CEO
森山和彦氏   CRAZY社長
谷田優也氏   ウェルプレイドCEO
長内孝平氏   ビジネス教育系YouTuber
宝槻泰伸氏   探究学舎代表
井手直行氏   ヤッホーブルーイング社長
仲山進也氏   楽天大学学長/仲山考材代表取締役
武田双雲氏   書道家
為末大氏   Deportare Partners代表/元陸上選手
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