土岐:いいですね。でも、部屋数の多い広い家じゃないと無理じゃないですか?
沢木:いえいえ、うちは2LDKの狭い家です。どうやって実現したかというと、僕と妻のベッドを捨てることから始めました。寝室として使っていた部屋を、娘たちのアトリエにしたんです。
井上:マジですか、すごい!
沢木:今はリビング脇の畳スペースに布団を敷いて寝ています。発案は妻なのですが、確かに子どもが没頭できる空間をつくってあげることは大事かもしれないな、と思ったんですよね。以前、ノーベル賞受賞者が「幼少期には『外で遊んできなさい』と家を閉め出されていました。何も持たなくても、自分で遊びを考える癖がついて好奇心が育った」と言っていたのを思い出して。うちもやってみようかと夫婦で決めたんです。
武田:井上さん、研究者の観点で今のお話をどう思いますか。
井上:すごくいいと思います。集中できる空間を丸ごと提供する、なるほどなぁ。きっと、ご飯も忘れるくらい没頭しますよね。
沢木:そうです、そうです。親が入ろうとすると「出て行って」と言われます(笑)。
武田:井上家でも近い取り組みを?
井上:すみません、できてません(笑)。ただ、僕が考えていることや関心事は全部言います。基本的に、僕のスタンスは対等な友達関係に近いので。アトリエ、僕も欲しいな……。
川口:アトリエ、いいアイデアですね。ものを作って壊してという、創造と破壊を繰り返す遊びって発達にもいい影響がありそうです。それに、奥さんの精神衛生にもよさそう。
沢木:おっしゃる通りで、リビングが散らからなくなりました。
武田:素晴らしいアイデアシェアをありがとうございました。
(後編に続きます)
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