武田:なるほど。子どもとの関係にも個性が出ますよね。この点、土岐さんはいかがですか?

土岐氏(以下、敬称略):ユニファで代表を務めています土岐です。保育事業者をテクノロジーで支援するサービスを展開していまして、12歳の息子と8歳の娘がいます。「どんな親子関係か?」という視点ですと、僕は子どもたちにとっての“お母さん役”になることが多いですね。うちは妻が厳しめなタイプなので(笑)、母親に怒られた子どもたちを、僕が「いいところもあったよ」とちょっと慰めて癒やす。そんな役割分担になっています。

ユニファ代表取締役CEOの土岐泰之氏は「チーム子育て」を心がけ、周囲の手も上手に借りる
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武田:お母さん役ですか。となると、「OKANのおとん」こと、沢木さんはいかがですか?

沢木氏(以下、敬称略):法人向け社食サービスのOKAN代表、沢木です。会社名は「OKAN」なんですが、家庭では上から10歳、8歳、6歳、4歳の全員女の子のおとんをやっています。で、親子関係でいうと、僕の場合は結構怖いキャラかもしれないですね。

武田:意外です。

沢木:はい。叱るときはビシッと叱るので。でも、普段は温厚で「何をしても許されるパパ」と思われています。娘たちからひどいイタズラをされるんですよ。この間も、針で突かれたり……(笑)。

武田:痛そうですね(笑)。では、最後になりましたが、川口さん。

川口氏(以下、敬称略):ホームレス支援のNPO、Homedoorを運営しています川口です。娘が一人いるのですが、ちょうど1歳になるくらいで、まだ小さいんです。今日は皆さんのお話から学ばせていただきたい気持ちでここにいます。

武田:まだお世話が大変な子育てフェーズですよね。

川口:そうですね。次々にやってくるミルクやオムツのタスクをこなしていく時期なので、テーマは「合理性の追求」です。本当はこの4月から保育園に通い始めるはずだったんですが、コロナの影響で入れなくなってしまい。しかも、私は組織の代表者のため育休を取れないので、夫と週3日ずつ交代で勤務して、残り3日は家で子育てしながら仕事をするという生活を続けています。合理化が急務なので、育児や家事を効率化するアイテムを導入しまくっています。

武田:どんなアイテムですか?

川口:まずは“子育て三種の神器”。ドラム式洗濯機と掃除ロボットと食洗機ですね。

武田:最新家電の力をどんどん借りている、と。でも、ご自宅はずいぶんと古風な雰囲気でギャップがありますね。

認定NPO法人Homedoor理事長・川口加奈氏は、「五感を養える環境」として日本家屋に暮らし、子育てをしている
認定NPO法人Homedoor理事長・川口加奈氏は、「五感を養える環境」として日本家屋に暮らし、子育てをしている

川口:はい、築100年の長屋なんですが、建築やデザインの賞も取っている住宅に、ご縁があって住めています。やっぱり、親が子どもにできることの一つが「環境を提供すること」だと思っていて。私自身はマンション暮らしが長かったので、「床のフローリングが平板で、歩くとペタペタするのが嫌だな」と不満があったんですね。この家は、床の木板が木目に沿って手彫りされていて、はだしで歩くと心地いい刺激があるんです。五感を刺激される場所で暮らすってすごくいいなぁと思って、この家で子育てしようと決めました。長屋なのでご近所との距離も近くて、お隣は生まれてからずっと住んでいるという居住歴70年のおじいちゃんです。