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妻がトライアスロンに挑戦

最初のきっかけには何が?

:それは娘のおかげなんです。彼女は小さい頃から運動大好きで、小学1年生のときから土曜日に器械体操教室に通っていたんです。朝7時に出かけて午後6時に帰ってくるほど熱心に。帰宅後もさらに「バトン教室に行きたい」と午後8時半までレッスンを受けるほど。すごいなぁと思っていたら、「日曜も器械体操を習いに行きたい」と言い出して(笑)。

 「え? 土曜も行っているのに、日曜もやるの? 本当にやりたいんだったら別に行ってもいいんだけど、パパとママと一緒に遊ぶ時間がなくなるよ? 家族でお出かけすることもほとんどなくなるけど、それでもいいの?」と聞いたら、「それでもいい」と。結果、わが家は娘が小学1年生の時点で、週末に家族そろって出かけることがなくなりました(笑)。同時に妻の自由時間が増えて、好きなことをする余暇が生まれたんです。

「お互いのやりたいことを応援し合う関係」に近づいたということですね。お子さんの自立を促すために、意識的に心がけてきた接し方はありますか。

:4歳くらいから近所にお使いに行かせてみたり、習い事に電車で通う行き来を小学校低学年から1人で行かせてみたり。結構、早い時期から1人での行動を推奨してきました。海外では子どもを単独行動させるのはNGですが、うちは子どもたちが自ら1人で行動したがったので応援していました。

 重要なのは、その後のコミュニケーションです。スーパーに1人で買い物に行って喜んで帰ってきた息子に、「楽しいと思うのはなぜ?」と聞くんです。かつ、幼いと気持ちを表現するボキャブラリーも少ないので、こちらから選択肢を示してあげます。「自分でお金を使えるから? 街を1人で歩けるから? レジでお金を払うときに『小さいのに偉いわね』と言われるから?」と示して、答えやすくする。彼の場合は、「実年齢よりも大きな子がすることができることに喜びを感じる」と分かったので、彼のモチベーションのポイントは「大人の仲間入り」をすることなのだと発見できたんです。

 以後、おもちゃを買うときにも、8歳なのに「15歳以上対象」のプラモデルを選ぶようにしました。苦戦しながらも彼は一生懸命やって完成させていましたね。だって、それが喜びだから、くじけずできるんです。モチベーションと成長はそういう関係にあると思っています。

モチベーションの源泉を探り、自尊心を満たしていくのですね。

:それを繰り返した結果、彼は大人に対してもまったく物おじしない子に育ちましたね。なりたい自分に近づける成功体験を重ねることで、彼は自信をつけ、“自分らしさ”のようなものを見つけていっているんです。そのためには、やはり彼のモチベーションがどこにあるのか、丁寧な観察が大事だと思います。