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子どもをほめるか否か問題、どちらが多数派?

宝槻氏(以下、宝槻):自分がやりたいことや、好きなことを見つけて、それで社会貢献できるようになってほしいという方針には、すごく共感します。

武田:伊佐山さんは積極的にほめるということですが、皆さんはいかがですか。本セッションのシーズン1の議論では、「うちはあえてほめません」という方もいました(詳細は「旅、議論、天神様!旬の経営者らが明かす子育ての極意」、「子育てを通して経営力アップ!?『子育てはメガトレンドだ』」)。

柴山氏(以下、柴山):私もよくほめるほうです。うちの娘はまだ6歳ですが、彼女をほめると娘からもほめ返されるんです(笑)。

 おそらくそれは話している言語が影響していて。うちは妻が米国人なので、家庭内の9割が英語です。すると自然に、大人も子どもも、呼び方がファーストネームになり、「You」と呼びかけ合ったりする。そして親子間の関係が、対等になっていくんです。

 娘をほめるとほめ返されて、注意すると注意し返されます。この間も、「自分の部屋を片付けなさい」と娘に言ったら、「ダディーの部屋も散らかっているよ」と指摘され、片付けたら、ほめられました(笑)。

伊佐山:僕は子どもからほめられたことないです(笑)。

末松氏(以下、末松):私はほめるかほめないか、あまり意識したことはありませんでした。どちらかと言うとほめないほう。互いに厳しいような気がします。

宝槻:僕はほめます。特にほめるのは個性が発揮されているとき。「ほめ」について考えるうえで参考になるのは、コーチング業界で聞いた「ギャップアプローチとポジティブアプローチ」の話です。

 ギャップアプローチとは、20世紀型の人間育成において中心的な役割を果たした考え方で、工場経営に似ているんです。要するに100点満点という基準をあらかじめ示して、そこに到達するために欠陥や欠損を埋めていく。受験の考え方もこれに近いと思います。

 ところがギャップアプローチでは、どうやら人間は育たないと分かってきました。21世紀には、欠損ではなく、強みにフォーカスを当てて、強みを生かすポジティブアプローチが必要だ、と。だからほめることが重要視されるようになったそうです。

武田:なるほど。学びになります。では本題に戻って、「わが家の子育ての創意工夫」について、次は柴山さん。

柴山:1つ挙げるとすると「エクスポージャー」です。エクスポージャーとは「いろいろな機会に触れさせる」という意味で、娘にはとにかく多様な体験をしてほしいと願っています。