夕食後はリビングで親子一緒に、勉強タイム
宮本氏:大人と子どもが交ざる時間をたくさんつくるというのは、お二人とも共通してやっていることかと思います。伊佐山さんは、家庭学習もすべてリビングで実践しています。夕食の後の時間を、大人も子どもも「学ぶ時間」にしていますよね。
伊佐山氏:そんなに堅苦しくやっているわけではありません。夕食をとって、子ども6人がみんなで皿を片付けて……。最近は子どもに家事もやらせているのですが、そこで親と子どものコミュニケーションが増えるわけです。
それで、そのままリビングに戻りますよね。そこで、部屋で勉強するんじゃなくてここで一緒にやろう、と。
まあ1日全く会話をせずに夜が過ぎることもありますが、少なくとも目の前でカチャカチャと僕が仕事をしていて、その横で子どもが宿題をしていて、「ヤバい、分からない」とぼやいていたら、「何か手伝おうか」と言えますよね。話すきっかけになるし、子どもも聞いてくるかもしれません。
「歴史の宿題が分からない。感想文を書けと言われても、この歴史がなぜ大事なのか、全然分からない」と子どもが言うと、親としては、うんちくを垂れるチャンスじゃないですか。「すごいな、お父さん」と言わせるチャンスです。
ネタばらしをすると、実は親も焦ってウィキペディアで検索して、その場で勉強して語るわけです(笑)。「お父ちゃん、分かってるよ」みたいにやりますよね(笑)。けれど、調べていますよ、そりゃ。何でも知ってるわけはありませんから。
こうして、歴史の話や化学の話を振られたりしながら、「親はすごいぞ」と思わせるために、親も一生懸命勉強するわけです。また明日同じことを聞かれるから、それまでに答えを持っておこう、と必死に調べるわけです。
すると、気づいたら自分も勉強させられている。次に聞かれた時に全然分からないという様子を見せると、親がバカじゃないかと思われるので、今さら数学とか物理の教科書を見て必死に勉強するわけです。
それがコミュニケーション上はいいと思うんです。やいやいと話し合うわけでもなく、無言でもいいから同じ空間にいて、子どもも作業をしていて、僕も作業をしている。そして、何かあった時には話しかけられる。子どもの言ったことが、僕の勉強のきっかけになることが、僕は面白いと思うんです。
それを文字に書くと、「みんなでリビングで一緒に作業をする」となるんですが、個人の部屋にこもって「宿題分からない、どうしよう」と悩むよりはいいんじゃないかと思います。どうせ、悩むわけですから。
そして大学生になれば、自分で解決したり、もしくは友達をうまく巻き込むスキルを養って、友達と一緒に解決したりするかもしれない。
けれど子どもの時くらい、漢字の書き取りも、「部屋に行ってやれ」ではなくて、食卓で「こうやるんだよ」と言いながらやった方が楽しいかなと思います。
>>詳しくは、動画でご覧ください
(続きは2019年5月7日公開予定)
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