全3997文字

木登り、雪遊び、ときに流血!

お子さんたちは日頃どんな遊びをしていますか。

井手:自然遊びですね。木登りしたり、雪遊びをしたり。あと、ご近所に住んでいるおじさんによく遊んでもらっています。ご近所といっても、うちは森の中に家があるので、おじさんの家までは数百メートルあるのですが(笑)。

 既にリタイアして犬3匹と一緒に暮らされている方で、鳥の巣箱作りなんかを子どもたちに教えてくださるんです。木工好きの長男はすっかりリスペクトしていて。次男・三男も犬と遊びたくて、週末はよく遊びに行かせてもらっていて、お腹が空いたら帰ってくる感じです。

自然豊かな環境ならではの遊びを満喫しているのですね。

井手:最近はかなりエスカレートしてきて、戦いごっこで使う武器を木工で手作りしはじめて、それがかなり凝った出来なんです。冬休みの間に、気がついたら剣だけで10本以上、盾も7、8個も作っちゃった。

息子たちが作った剣と、剣を収める専用の台

井手:妻が「こんなに作って、邪魔だからどかしなさい」と注意したら、今度は武器を置くための専用台を作ってきてビックリしました(笑)。今、うちの玄関には木製の武器がズラリと並んでいますよ。ここまでやるとすごいな、と思って「いつか小屋も作ってよ」と頼んでおきました。

 寒い日以外は気づけば木に登っているんで、なんかいろいろ木の上に持ち込んでいるみたいで。もちろん、自然の中で元気いっぱいの男子が遊ぶことによる危険もあるので、「危ないぞー、落ちるなよー」ってしょっちゅう言っていますが、ついにこの間、次男が落ちてケガをしました。

 血だらけになって救急車ざたになったんですが、さすがに懲りたかと思ったら、3日後には「もう痛くないもん」とまた走り出していて……。特に次男は僕に似て破天荒タイプなので目が離せないです。

 危険を挙げればキリがないですが、「生きる力を育てたい」という価値観は夫婦で一致しています。妻も前職では、星野リゾートで野遊びやキャンプの案内をする部門で働いていたので、理想の暮らしのイメージは近いと思います。

お子さんにどんな力を身につけてほしいと思いますか。

井手:自分で考える力、ですね。今の世の中はとかく情報が多くて、親が先回りして、子どもに失敗させないように面倒を見過ぎちゃっているところがあると思います。

 でも、そうやって親がいつも与えてばかりいると、子どもが困難な状況に面したときに、誰かに答えを教えてもらわないと決断できなかったり、小さな失敗ですぐに心が折れてしまったりと、弊害が大きいんじゃないかなと僕は思います。社会人に出る前の子どもの頃から、小さな失敗を繰り返して、たくましく自分で考える練習をする経験をどんどんさせたいですね。

 それは本当に日常のささいな出来事であって、例えば、今朝も雪が3センチメートルくらい積もったから、妻が「ブーツを履いていきなさい」と言ったのに、次男は「今日は体育の授業があるから、普通の靴で行きたい」と言って飛び出していっちゃったんです。

 その時、ブーツを持って追いかけることもできるけれど、あえて放っておいて、本人に学ばせればいいんですよね。「やっぱり雪の日はブーツを履くべきだ」と学べば、次回からは行動が変わるだろうし、逆に「ブーツを履かなくてよかった」と思えばまた同じようにするでしょう。ちゃんと腹落ちしないと学ばない、というのは大人も子どもも同じですよね。

 ただし子どもは未熟な人間なので、命の危険が及ぶことだけは注意します。それだけ気をつければ、あとは任せていいんじゃないかと思っています。
(後編は3月26日に公開予定)。