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「一流に触れる」経験で子どもが変わる

田中:バレエが好きな次女には、ロシアやロイヤル・バレエ団の公演のチケットを取ってあげて、できるだけいい席でみせています。小学生に1万円超のチケットは高いかもしれませんが、感性を育てるために、親が子どものためにしてあげられる投資教育だと考えています。

バレエ好きの次女と一緒にロイヤル・バレエ団を鑑賞したことも

田中:長女は1年前の全豪オープンに連れて行きました。とても楽しかったようで、「今年も行きたい!」とおねだりされましたが、2回目はなしです。なぜなら、「全豪オープンを初めて観たことによる感動のインパクト」は既に体験しているのだから、それを上回ることがないであろう2回目を体験する意味はないと思ったからです。「ウインブルドンとか、ほかの開催地なら雰囲気も違うかもしれないから、行くならそっちにしようか」と相談しているところです。

テニスが好きな長女は、全豪オープンに連れていった

「一流に触れる」体験をした後、お子さんにはどんな変化が見られますか。

田中:じわじわと効いてくる感じがしますね。見てすぐの時には、「すごかった」くらいの感想しか言えないのですが、半年経つ頃から、普段の振る舞いが変わってくるんです。試合の時に、自分の出番を待つ控えの時間の過ごし方が落ち着いてきたり。

 世界のトッププロがそういう時間にどういう姿を見せるのか、子どもなりに観察して、感じ取っているのでしょうね。やはり、生で観る体験というのは、インパクトが大きいのだなと感じます。

学校選びについてはどういう方針ですか。

田中:長女は公立中学校に通っています。小学5年生になったときに、本人が「中学受験をしようかな」と言い出したので、有名塾の体験授業にいくつか連れて行ったのですが、家に帰ってきた瞬間に、「あの勉強の仕方は好きじゃなかった」と。「分かった」と言って、中学受験はしないと決めました。本人が決めたことだから、のびのびと過ごしていますよ。

 勉強に本気で取り組むには、本人の内側から発する動機付けが必要で、そのスイッチが入る時期を親が無理やり早めるのは本意ではありません。

 それで何とか中学受験を乗り切ったとしても、おそらく次にチャレンジすべき関門が来た時に自力で戦えなくなってしまう。「自分で決めて、自分で戦えた」。その感覚を持たせられるように寄り添いたいと、私は思っています。親は焦ってはいけません。どんと構えていればいいのです。

 次女はタイプが違うので、小学4年生の時点で中学受験について前向きです。「お姉ちゃんの学校を見に行ったら、私は合わないと思った」なんて言っています(笑)。既に自分で判断できるようになっているのが、頼もしいですね。

普段の勉強についてはどう声をかけていますか。