本当にダメダメ…でも幸せ。それが子育て

奥さまへの感謝の気持ちが強いのですね。

小林:それしかないです。実は2番目と3番目の間にもう1人、子どもがいたんです。生まれつき心臓が弱く生後9カ月で他界してしまったんですが。彼女はそういうつらさも乗り越えて、5人をここまで育ててくれた。

 すごい女性だと思いますし、亡くなった子どもからも、私は貴重な学びをもらいました。それは「1秒を大切に生きろ」という学びです。私がセミナーや講演でよくこの言葉を伝えるのは、1秒を懸命に生きる姿を見せてくれたわが子からの学びがあったからです。

最後に、小林さんにとって「子育て」とは。

小林:そうですね。「唯一、自己嫌悪に陥ること」でしょうか。

 もともと超楽天主義な性格で、CPOという天職に恵まれて、仕事でクヨクヨすることは滅多にないのですが、子育てに関しては自分の中だけで解決できないことだらけ。子育てに正解なんてないけれど、「あれでよかったのかな、これでいいのかな」と迷いながら、子どもたちと向き合っています。

 子どもが真剣にぶつかってきたら、自分にとって正解だと思うことを伝えるけれど、あとになって、「あれは自分にとっての正解でしかなく、彼にとっては正解ではないかもしれない」と振り返ったり。

 ホントに下手くそです。ダメダメです。でも、めちゃめちゃ幸せです。いくらダメでも、幸せを感じられる。それが子育ての醍醐味なのかもしれないですね。

■子育てとは?

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