子どもの言葉はひたすらメモに残す

小林:5人の子どもたちそれぞれが10歳、15歳、20歳になったタイミングで、私と二人だけで旅をするというものです。行き先は国内外問わず、本人が希望する場所へ。昨年の夏には15歳の次女と、秋には10歳の次男と行ってきました。

 7人家族だと、1人の子どもとじっくり話せる機会はなかなかないのが実情です。でも旅行をすると、24時間一緒にいられますから、普段聞けないようなことも時間をかけて聞けていいんです。

 大学の進路をそろそろ考え出す時期なら、「何学部に進みたいの?」とか、「いくつくらいで結婚したいの?」とか。そこで聞いた話を妻にも共有しています。

 忘れてはいけないのは、その間、妻は残り4人の子育てを一手に引き受けているわけで、父子旅も、妻の理解と協力がなければできないということです。つくづく、感謝とリスペクトしかありません。

 ちなみに父子旅の間に起きたこと、例えばどこで何を食べ、どんな乗り物に乗って、どんな会話を交わしたかなどは、10分単位くらいで細かくメモして記録に残しています。普段でも、子どもとの会話の内容はよくメモして、時々読み返しているんです。

 たまに一緒に風呂に入る時は、防水加工のメモ帳を持ち込んで、子どもが言った言葉を湯船の中で走り書きしたり。例えば、「パパとはどういう人?」という問いに対し、「楽天で働いている」「お買い物する人のためになっている」「家族のためになっている」という答えがあった……というふうに。

親子の会話を大切にしているんですね。ほかにも小林家で定例となっている習慣はありますか。

小林:1年前から始まった比較的新しい習慣ですが、毎週日曜の夜8時から、全員で食卓に着席して、「家族会議」をやっています。

 きっかけは、中学生の息子が「家を片付けるためにみんなで話し合おう」と言いだしたことでした。これに妻が「いいね」と乗っかって、2人が主導して「美化委員」のような活動に。「まずは自分の物を部屋に持っていこうよ」「そう言う前にまず自分がやりなよ」云々、必ずきょうだいで言い合いにはなるんですけどね(笑)。

 意見は年齢に関係なく平等に尊重するので、小学低学年でも立派に自分の意見を言ってきますよ。最終的には、みんなができそうなルールが何となく出来上がっていきます。おかげでこの1年で、だいぶ家は片付きました(笑)。

 家族会議の議題は自由で、最近では「お年玉のボーナスアップ競技を何にするか」というトピックで盛り上がりました。年齢に応じたお年玉の金額にプラスして、ボーナス金額を決める競技を毎年変えるんです。前々回は「九九の暗記」でしたが、前回は「世界の国名を書けるだけ書いて、その国数×百円(小学生は日本の都道府県名でもよし。漢字で書けたらダブルポイント)」という競技。努力次第では、金額で兄姉を上回るチャンスもあります。

「発言権も勝利のチャンスも、年齢に関係なく平等」というスタンスなんですね。

小林:はい。ここ数カ月で立ち上がったのは「家族旅行プロジェクト」。文字通り、年に1回の家族旅行のプランを考えるプロジェクトですが、全員が希望を言い出すとまとまらないので、上の2人がリーダー役になって、まず大枠のプランを立てて、それを家族会議でプレゼンし、みんなでブラッシュアップしていく方法に。これまでは夫婦で決めていたんですが、「そろそろ子どもたちに任せてみようか」と試しているところです。(後編に続く)

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