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歩くと「2つの良いことがある」発想に

 当然、個人差はありますが、健康状態に問題がなければ、10分歩くとおよそ1000歩になり、600~700mの距離になります。ということは、平均的な生活を送っている日本人は、1日当たりあと15分歩けば、目標を達成できるということです。いかがでしょうか。「意外とハードルは低い」と感じる人も多いのではないかと思います。

 歩くための準備として「歩数計」はほぼ必須です。これなくして歩く習慣を身に付けることはできないと言ってもいいでしょう。そして可能であれば、アプリの歩数計をスマホにインストールするのがベストです。「歩数計を持ってくるのを忘れた」ということがまずありませんし、カレンダー機能と連携すれば、歩数の一覧を視覚的に把握できて、モチベーションを維持することもできます。

筆者の歩数計アプリより

 これによって、「火曜日は移動が多いから歩数が多いな」とか「木曜日はデスクワーク中心だから少ないな」といった、生活習慣におけるムラや改善点を見つけることにもできます(筆者の場合、水曜が少なくなっています)。

 また歩数計とともに、もう一つ大事な注意点として「靴」があります。

 靴は慎重に選んでください。できるだけ足に負担をかけないよう、ウオーキングシューズを選ぶのがベストです。歩きにくい靴で頑張って、ひざや足の指(外反母趾など)を痛めては元も子もありません。一見、革靴に見えるウオーキングシューズなど、最近は幅広いラインアップがありますので、ここはしっかり吟味するようにしましょう。

 さて、歩くための準備が整ったとして、どうすれば歩く気になるでしょうか。私がオススメするのは、「1つの事象」に「2つの意味を与える」ことです。

 よく「階段を使いなさい」とか「1駅手前で降りなさい」と言いますが、それだと「運動」する代わりに「不便」なことが増えるというトレードオフの関係になって、動機としては薄弱です。「1―1=0」ではなくて、「1+1=2」、つまり「2つの良いことがある」という状況にする方がいいのは当然です。

 では具体的に、どうすればいいのでしょうか。

 ここからは私が普段実践していることなので主観が混じりますが、中にはみなさんに応用できるものもあると思います。

(1)時間の調整

 私は日中に移動することが多いのですが、電車やバスで移動したのちに喫茶店などで時間を潰すのではなく、全体の時間を見積もったうえで、歩いています。その方が、時間を過不足なく使った気持ちになるからです。これはいわば、「時間の調整」+「運動」。ちなみに時間を読むという観点では、電車やバスより、実は歩くことの方が誤差が少なくなります。

(2)快適さを優先する

 私は混雑している駅の乗り換えがあまり好きではないので、たとえ目的地の最寄り駅ではなかったとしても、できる限り乗り換えが少なくなるようにしています。そして遠くなった分は、歩きます。これは「自分の快適さ」+「運動」です。

(3)お金の節約

 これは1や2ともかぶりますが、交通機関(特にタクシー)を使わなければ、その分のお金は節約できます。お金には使う喜びも、節約する喜びもあります。たとえ金額的には微々たるものでも、歩くモチベーションの上乗せ効果は金額以上のものがあります。

(4)新しいものを見つける

 今まで歩いたことがない道を歩けば、何かしら、発見があります。「おいしそうなビストロ」「繁盛している中華料理店」「センスのいい古本店」「古めかしい建物」「変わった遊具のある公園」「クオリティーの高い落書き」など、自分のアンテナに引っ掛かるものがあるはずです。私はこれが大好きです。特に出張などで地方都市を訪れたときには、なるべく隙間時間を見つけて歩き回っています。

 このように、運動だけではないそのほかの意味もあると、おっくうさが半減されて、「歩いてもいいか」と思えます。

 ではウオーキングやジョギングを、公園などでやる場合はどうでしょう。勝手知ったる場所をグルグル回る場合には、「2つの意味を与える」ことは難しくなります。