本連載ではここまで、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症、高血圧といった生活習慣病を防ぐには、どうすればいいのかを解説してきました。
ひと口に糖尿病、脂質異常症といっても、原因は単一ではなく、複数の原因があったり、それらが混ざり合ったりしています。表に簡単にまとめてみます。
こうして俯瞰(ふかん)してみると、やはり肥満がそれぞれの疾患に及ぼす影響がとても大きいことが分かります。肥満ですべてが説明できるわけではありませんが、すべての疾患の最大公約数になっているのは間違いありません。
そしてそれは、裏を返せば、肥満がある場合は、肥満を解消するだけでそれぞれの疾患が並行して良くなる可能性がある、ということです。
また、「要確認! あなたは肥満? 肥満症? メタボ?」でも解説した通り、肥満は次のような病気の原因にもなります。
- 「狭心症、心筋梗塞」
- 「脳梗塞」
- 「脂肪肝」
- 「月経異常、妊娠合併症」
- 「睡眠時無呼吸症候群」
- 「整形外科的疾患(変形性関節症、腰痛症)」
- 「肥満関連腎臓病」
そのほか、肥満が一部のがんのリスクを上げることも分かっています。
認知症や脳卒中、整形外科的疾患による寝たきりや、がんを遠ざけ、人生100年時代を乗り切るためには、肥満の解消、もしくは予防が「最も大事なカギ」になるのは間違いありません。
そのために日常的にできることといえば、みなさんご存じの通り、「食事」と「運動」が大きな柱になります。今回はこの食事について、よく対立する2つの食事法を取り上げてみたいと思います。
それが「糖質制限食」と「カロリー制限食」です。
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