全2300文字

 前回(「『血圧を下げると脳梗塞が増える』って本当か!?」)で解説したように、高血圧の診断基準は段階的に厳しくなってきました。

 高血圧と診断される人が増え、降圧薬による治療を受ける人が1980年代に比べておよそ1.5倍に増えています。そしてその結果、日本人の血圧は男女ともに確実に下がってきました。

 しかし血圧の推移を注意深く見ると、30代や40代という、比較的若くて、降圧剤を内服している人があまりいない年代でも、血圧は一貫して下がり続けています。これは何を意味しているのでしょうか。

 大きな理由の一つは、日本人の平均的な塩分摂取量が少なくなっていることです。

 ほぼ一貫して下がり続けているのが分かりますし、男性と女性できれいにパラレルになっていることも興味深い点です。

 塩分摂取量の減少は、「塩分が多すぎると血圧が上昇し、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが上がる」ということが世の中に広く知られるようになった結果だと考えられます。

 あくまで一例ですが、食品製造業の生産動向調査(食品需給研究センター)によれば、漬物の生産量は1988年には115万1316トンありましたが、2015年には、1988年の6割程度(71万8923トン)まで減少しています。日本人はしょっぱいものを食べなくなっているのです。

 塩分摂取量が多いほど血圧が高くなることは確かですが(1)、それは、一体なぜなのでしょう。