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 これまで糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症について解説してきましたが、今回からは、生活習慣病の本丸でもある「高血圧」について解説します。

 高血圧を「本丸」と呼ぶのには、2つの理由があります。

 まず1つ目は、患者数が多いため。およそ脂質異常症が200万人、高尿酸血症が500万人、糖尿病が1000万人といわれていますが、高血圧はダントツの4300万人(1)。尋常ではない数字です。

 それも4300万人の中で、治療を受けている人は20%程度にすぎず、残り80%は放置しているか、自分が高血圧だと知らない人たちだといわれています。

 ちなみにその内訳は、男性が2300万人、女性が2000万人で、性別による差はほとんどありません。

 厚労省の統計によれば、30歳以上の男性の60%、女性の45%が高血圧と診断されています。年齢が高くなるほど有病率は増え、70歳代だと男性の80%、女性の70%が高血圧です。加齢とともに血管は硬くなるので、最終的には「大半の人が高血圧になる」のです。

 誰しも年を取れば顔にシワが増えたり、髪の毛が白くなったりします。けれど、それを「病気」とは言いません。そう考えると、「血圧が高くなることも加齢現象の1つであり、自然の流れに任せればいいんじゃないか」という意見もあり得るでしょう。

 確かにそれも一理あります。ただシワが増えようが、髪の毛が白くなろうが、それで命を落とすことはありません。しかし、血圧は違います。高くなれば、致命的な病気の引き金となり得るのです。

 日本人の死亡に影響する各因子を比較検討した研究によれば、高血圧の影響はタバコに次ぐ2位になっており、高血圧が原因で年間10万人が亡くなっていると試算されています。この影響力の強さが、高血圧を「本丸」と呼ぶ2つ目の理由です。