怖い!高血圧による大動脈解離

 高血圧が続くと動脈硬化が進行し、脳卒中、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)のリスクが上昇します。また腎臓の機能が落ちたり、不整脈が起きたり、動脈瘤(りゅう)、大動脈解離が生じるリスクもあります。

 特に最後の大動脈解離は、ある日突然、太い動脈が広範囲にわたって裂けて、突然死の原因にもなり得るとても怖い病気です。

 つまり高血圧は、加齢現象だから様子を見ていいとは、やはり言い難いのです。

 さて、では高血圧の診断基準はどうなっているのでしょうか。高血圧治療ガイドラインによれば、上の血圧が140以上、もしくは下の血圧が90以上となると高血圧と診断されます。

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 上の表の通り、正常範囲であっても高い順に「正常高値血圧」、「正常血圧」、「至適血圧」に分けられます。そして血圧の上昇と疾患のリスクはきれいに比例しており、たとえ「正常高値血圧」や「正常血圧」であっても、「至適血圧」よりは統計的に有意に疾患のリスクが上昇していくのです。

 つまり血圧というのは、病的でない限り、「低ければ低いほど良い」ということになります。

 では、そんな血圧はどうやって決まっているのでしょうか? そして何をどうすれば下がるのでしょうか?

 まずは、基本的なことから解説します。

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