ああ、やっぱり…ビールは痛風のリスクを1.5倍に

 また、みなさんが気になっているビールは、痛風のリスクを1.5倍上げます(4)。

 ビールのようにプリン体の含有量が多いこともさることながら、全般的にアルコールは「プリン体の代謝を促して尿酸値を上げる働き」を持っているので、両方の意味で悪影響を及ぼす、ということです。そのほかの飲み物では、砂糖入りソフトドリンクを1日に2回以上飲むグループはリスクを1.9倍上げます(5)。

 多少意外に感じるかもしれませんが、砂糖や果糖は尿酸値を上げる要因だと報告されているのです(6-7)。高尿酸血症において甘いものは、医療者であってもあまり意識していないように見受けられますが、影響力はかなり大きいのでご注意ください。

 そして大事なポイントです。

 肥満がある場合は、肥満を解消することによって尿酸値が低下すると報告されています(8)。前回解説したように、内臓脂肪は尿酸産生を活発にするからです。

 メタボが社会問題になり、メタボと高尿酸血症の関連が明らかになるにつれ、高尿酸血症の対策はメタボ対策と一致しつつあります。肥満がある場合は、プリン体についてあれこれ考える前に、肥満を解消することが先決です。

 いくらプリン体が豊富な食事を避けても、その分、ほかからカロリーを摂取していれば産生過剰が続くので、高尿酸血症は改善しにくいでしょう。プリン体の制限に意味がないと主張する人たちは、この現象を見誤っている可能性があります。逆に、減量のために食事とお酒を節制すれば、おのずとプリン体の摂取量自体も減っているはずです。

 また肥満やメタボがなく、尿酸値だけが高い場合には、遺伝的な要因が強く作用している可能性があります。カロリー制限には意味がないので、やはりプリン体の豊富な食品を避け、それでもだめなら内服治療が必要になるかもしれません。

 糖尿病や脂質異常症の回でも言及しましたが、肥満や遺伝的要因など、原因が複数あるのに1つの対処法で解決しようとすれば、必ず矛盾や対立が生じてしまい、結局どの情報を信じればいいのか分からなくなります。あくまで個別の原因に応じた対処法を選択する必要があるのです。

 では運動についてはどうでしょうか。

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