全2810文字

痛風、尿路結石……とにかく痛い!

 本来、プリン体はエネルギー源になったり、DNAなどの原料になったりする大切な物質です。それが体内で代謝されて尿酸になり、尿酸はその名の通り腎臓から尿中に排泄されます。

 しかし、何らかの原因で尿酸値が上昇すると、痛風発作など様々な弊害を起こしてしまうのです(具体的には、尿酸値が7.0mg/dLを超えると、高尿酸血症と診断されます)。

 高尿酸血症は女性よりも男性に多い病気で、30歳以上の男性の実に約30%が該当すると推定されています。驚くほど多い、ということです。そしてその結果、30歳以上の男性の100人に1人が痛風発作を経験しています。(1)

 高尿酸血症により生じる問題はいくつかありますが、大きく分けると次の3点です。

  • ①痛風発作を起こす
  • ②尿路結石が生じる
  • ③腎機能が悪化する

 尿酸値の高い状態が続くと、尿酸塩の結晶が析出します。それが関節に沈着することで激痛を起こすのです。これが、いわゆる「痛風発作」です。

 「風が吹いても痛い」と言われる通り(実際は風が吹かなくても痛いです)、突然足の親指の付け根や足関節が真っ赤に腫れ上がり、激痛が走ります。

 ②の尿路結石も、とても痛いということは、皆さんどこかで聞いたことがあると思います。尿中に尿酸がたくさんあると尿路結石ができやすくなるのです。ただしどちらかというと、高尿酸血症を起こすような動物性たんぱく質の多い食事を摂っていると、「尿が酸性になって尿路結石ができやすくなる」と考えられています。高尿酸血症と尿路結石は原因が同じなので、合併しやすいということです。

 さて「痛いのは確かにイヤだけれど、普段は何の症状もないし、痛風発作や尿路結石が起きても痛み止めなどで対処できるから、尿酸値はあんまり気にしていない」という人もいるかもしれません。

 しかし、これは非常にリスクの高い考え方です。

 私は痛いのもイヤですが、何よりも問題なのは、③の腎機能の悪化がありうるからです。

 腎臓に尿酸塩が沈着することによって、腎機能が悪化してしまうのです。そうなると徐々に尿量が減少し、最終的には透析になってしまう可能性があるし、動脈硬化が進行して心筋梗塞や脳卒中のリスクも顕著に上昇します。

 また腎機能が低下すると、病気になった時に必要な薬を使いたいと思っても、副作用のリスクが上昇するので使用できなかったり、減量しなくてはいけなくなったりすることがとても多くなります。つまりどんな病気になった場合でも、非常に不利な闘いを強いられることになってしまうのです。

 腎臓をいたわることはとても大切なことなので、また機会を改めて解説します。

 さて、ではなぜ尿酸値は上昇してしまうのでしょうか。