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 炭水化物による糖尿病、脂質による脂質異常症について解説してきましたので、3大栄養素の最後の一つである、たんぱく質の影響について今回は解説します。

 食事に含まれるたんぱく質は、消化管でいったんアミノ酸のレベルまでバラバラに分解されてから吸収されます。その後、体内で再びたんぱく質に合成されて、適宜、必要な場所で利用されています。

 筋肉や骨、血液、臓器はもちろん、様々な代謝になくてはならない酵素、伝達物質、免疫物質(抗体)などもたんぱく質で成り立っています。実に多岐にわたっていて、たんぱく質は人体のあらゆるところで重要な役割を担っています。

 炭水化物は摂取しなくても生きていけるかもしれませんが、たんぱく質はきちんと摂らないといけません(必須アミノ酸といって、生命活動に必須だけれども体内で合成できず、食事として摂らなくてはいけないものもあります)。

 たんぱく質不足は様々な弊害をもたらしますが、逆に摂り過ぎるとどうなるのでしょうか。

 腎臓の機能が低下している人の場合、たんぱく質を制限することが必要なことは、分かっています。しかし健康な人にとって、たんぱく質の過剰摂取が悪影響を及ぼすのか否かについては、実はよく分かっていないのです。大部分の人類は、たんぱく質を好きな時に好きなだけ摂取できる環境になかったからです。

 とはいえ、そもそもたんぱく質だけを純粋な形で摂取する機会はあまりなくて、大抵は肉や魚、大豆などの食品の形で摂っています。たとえば肉であれば、飽和脂肪酸も一緒に摂ることになるので、摂取量が増えればLDLコレステロールが上昇する危険性が出てきます。

 また、もう一つ重要な問題があります。それは、肉や魚に含まれるプリン体の過剰摂取による「高尿酸血症」と、それによって生じる「痛風」などの合併症です。