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 コレステロールが高い人に対して、米国心臓病学会などは生活習慣の改善を求めています。次の3つです。

  1. 飽和脂肪酸と精製されている炭水化物を控えること
  2. 運動―中程度の運動を30分間、週に3~7日(!)
  3. 禁煙

 なぜ「精製された炭水化物」を控えるのかというと、精製されていない炭水化物を取ることによって、食物繊維の摂取量が上昇し、LDLコレステロールが下がる可能性があるからです。炭水化物を取ってはいけない、というわけではありません。

 前回の記事(「コレステロール、実は取りたい放題!」…ってホント?)で解説したように、コレステロールはエネルギー源ではないので、運動をしてもコレステロール自体は消費されません。

 生活習慣が乱れている人は、血糖値や血圧、中性脂肪などにも影響が出ていることが多く、コレステロールだけが高いという人は、どちらかといえば少数派です。

 ですので、生活習慣全般を見直して肥満を解消したり、筋肉をつけたり、代謝を高めたりすることによって全身の健康状態を整えれば、めぐりめぐってコレステロールも落ちる可能性がある、と考えられています。

 ただし、それでもコレステロールが落ちない人がいます。むしろ、それだけふるいにかけても、コレステロールが残ってくるのであれば、要注意。

 なぜかと言うと、背後にほかの病気が隠れている可能性があるからです。

 コレステロールが高くなる病気で盲点になりやすいものの一つに、「甲状腺機能低下症」があります。

 甲状腺は首の前面にある臓器で、甲状腺ホルモンを産生しています。甲状腺機能低下症は、そのホルモン産生能力が落ちてしまう病気です。症状としては、体のむくみ、意欲の低下、皮膚の乾燥、寒がりになる、などがあります。

 もう一つ、生活習慣の改善で良くならないコレステロール高値で要注意のものがあります。それは「家族性高コレステロール血症(Familial hypercholesterolemia 以下、FH)」です。

 FHは、LDL受容体という、LDLを分解する場所の入り口に遺伝子の変異があり、LDLが分解されずにあふれ出る病気です。

 特徴としては、高LDLコレステロール血症、皮膚と腱にできる黄色腫(黄色い腫瘤=脂質が詰まった免疫細胞の集まり)、早発性冠動脈硬化症(若い年齢で狭心症、心筋梗塞を起こす)があります。