オミクロン型の脅威がクリスマスムードに水を差す(写真:ロイター/アフロ)
オミクロン型の脅威がクリスマスムードに水を差す(写真:ロイター/アフロ)

 今回は、日米の要人発言から、終わりが近づいている2021年を振り返りたい。

【1月】
トランプ米大統領(当時)

 「(大統領弾劾に向けた動きは)米史上最大の魔女狩り」「大規模な怒りや分断、痛みを招き、米国にとって非常に危険だ」
(1月12日、米テキサス州に建設されたメキシコとの「国境の壁」建設現場を視察を視察した際に)

~ 米民主党は1月11日、連邦議会議事堂襲撃事件に絡みトランプ大統領が反乱を扇動したとして、弾劾決議案を下院に提出。同決議案は13日に可決され、退任が間近だったトランプ氏は米国史上初めて、任期中に弾劾訴追を2回受けた大統領となった。

【2月】
メスター米クリーブランド地区連邦準備銀行総裁

 「経済を回復させる必要があるため、非常に長い期間(for a very long time)、緩和的になるだろう」(2月8日、トレドロータリークラブ主催のオンライン協議で)

~ 地区連銀総裁の中でもタカ派寄りとみられているメスター総裁が、この時には上記のように相当ハト派寄りの発言を行っていたのが、筆者には印象的だった。「インフレ率が(目標とする)2%に戻るまで当面かかると考える十分な理由がある」「今後2~3カ月のインフレ率はいくらか高めになるだろうが、基調は異なる」といった発言さえあった。

 粘り強く緩和を続けるべきだという考えが、この時点では米連邦公開市場委員会(FOMC)内でしっかり共有されていたと言える。しかし、供給制約が長引き、インフレ率が急上昇して政治問題と化した秋から年末、FOMC内の雰囲気は急速にタカ派へと傾斜していった。

日銀が新規のETF買い入れから撤収

【3月】
黒田東彦日銀総裁

 「ETF(上場投資信託)の買い入れをやめることや売却を検討しているということは全くない」
(3月22日、参院財政金融委員会)

~ 日銀は3月19日の金融政策決定会合終了後、「より効果的で持続的な金融緩和について」と題した文書を公表した。日銀はこの緩和策「点検」で、ETF買い入れについて「年間約6兆円」という原則的な目標を削除しつつ、上限の「年間約12兆円」を残した。

 これにより、カレンダー上でどこか連続した12カ月間を取り出してETF買い入れ実績を足し合わせても6兆円に遠く及ばない状況が正当化された。国会で議論されるなど問題になっていた新規のETF買い入れから、日銀は事実上「撤収」した。