河野氏が所属する麻生派は、中堅・若手で河野氏支持が多い一方、ベテランで岸田氏支持が多いと報じられている。石破派は数が少ない。竹下派、二階派、石原派、無派閥の国会議員票をどこまで集められるかが、特に決選投票にもつれ込む場合、河野氏にとってきわめて重要になる。

 岸田氏は、国会議員票で岸田派、谷垣グループに加え、麻生派からも一定の支持が見込める。その一方で、地方票では河野氏にリードされているようである。

 高市氏には、細田派の安倍晋三前首相からの支持表明があるので、同派からの票が50~70くらいは見込めそうだといわれている。9月14日にあった同氏の選挙対策本部発足式に出席した国会議員は39人、秘書の代理出席を合わせると71人だった。

 では、国会議員票の行方はどうか。

 産経新聞が9月19日に報じた自民党所属の国会議員を対象とする調査では、岸田氏が4分の1近くを固め、河野、高市両氏もそれに迫る勢い、野田氏は推薦人20人から大きな上積みができていないという結果になった。

 一方、毎日新聞が同じ日に報じた調査結果は、岸田氏が全体の3割強でトップに立ち、2割台半ばの河野氏と約2割の高市氏が追う展開で、野田氏の支持議員は1割未満という内容になった。

「円高恐怖症」に注意

 いずれの調査でも、国会議員票は岸田氏が優位の展開。河野氏は、最初の投票で地方票と合わせて過半数を獲るのはかなり難しそうである。

 仮に、河野氏と岸田氏の2人による決選投票になる場合、おそらく安倍前首相の意向もあって高市氏の票が岸田氏により多く回ってくるはずだから岸田氏が有利だという予想が、市場では少なくない。

 では、10月4日召集の臨時国会で首相に指名される運びの次期自民党総裁による政策運営は、「アベノミクス」、特に日銀の異次元緩和に対してどのような影響を及ぼすのだろうか。

 まず大前提として認識しておくべき点は、「円高恐怖症」の存在である。為替相場の円高・ドル安は、長期的には日本の通貨である円の購買力が大きいことを通じたメリットが大きいと考えられる一方、短期的にはネガティブな影響が市場で意識されやすい。このため、円高が進む場合には株安・債券高になるパターンが基本線になっている。