金融政策への影響は?(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
金融政策への影響は?(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 注目の自民党総裁選挙の国会議員票投開票が、9月29日にある。今回はいわゆるフルスペックの総裁選になる。国会議員票382(竹下亘元復興相死去により1つ減った)と、これと同じ数の地方票(全国の党員・党友による投票)の合計764票を争う仕組みで、過半数(383)を獲得した候補が勝者になる。

 ただし、病気療養中の山本公一元環境相(谷垣グループ)が総裁選で棄権すると時事通信がいち早く報じており、国会議員票は事実上381、地方票は382のままで、合計763票。過半数は実態として382票になるとみられる。

 どの候補者も過半数に達しないと、上位2名による決選投票(国会議員票382・都道府県票47)にもつれ込む。ここでは国会議員票の重みが増すため、1回目の投票で3位以下の候補の票の行方が大きなカギになる。レアケースだが、決選投票で票数が同じになる場合は、くじ引きで決着がつけられる。

 世論調査で次の自民党総裁にふさわしい人物として最も人気が高い河野太郎規制改革担当相は、1回目の投票で地方票を多く獲得して勝利し、決選投票には持ち込ませない展開を目指しているとみられる。それには地方票382の行方が最大のカギを握っている。

 一般の有権者ではなく自民党の党員・党友だけを対象にした調査を、日本テレビが9月11~12日に実施した。総裁選で誰を支持するかを尋ねた結果は、河野規制改革相が25%で首位。以下、石破茂元幹事長21%、岸田文雄前政調会長19%、高市早苗前総務相16%、野田聖子幹事長代行3%、「まだ決めていない・わからない」15%だった。

 その後、石破氏は立候補を見送って河野氏を支援すると表明しているので、上記の調査結果で河野氏と石破氏の数字を単純に合計すると46%、地方票382のうち約176票になる。未定の15%(約57票)からも半分程度が最終的に河野氏に回るとみることに大きな無理はあるまい。

 野田氏の告示前ぎりぎりの出馬表明によって河野氏に逆風が吹いたことなどは度外視して、上記の世論調査結果だけを基に考えると、河野氏の地方票は200前後と予想される。

世論調査は河野氏が首位

 その後、共同通信による9月17~18日実施の調査結果が発表された。石破氏不出馬表明よりも後で、自民党の党員・党友で投票資格があると回答した人のみの集計である。

 新総裁にふさわしい人を選んでもらった結果は、河野氏が48.6%で首位。以下、岸田氏18.5%、高市氏15.7%、野田氏3.3%、「まだ決めていない・分からない」13.9%になった。共同通信では「まだ決めていない・分からない」を除いて試算し、河野氏は210票を超え、岸田氏は80票前後、高市氏は70票前後、野田氏は10票程度とした。筆者が計算してみると河野氏は216票になる。

 また、共同通信よりも1日後の9月18~19日に実施された、読売新聞による自民党の党員・党友を対象とする調査では、投票先の回答は、河野氏が41%で首位。以下、岸田氏22%、高市氏20%、野田氏6%、未定・未回答11%になった。読売新聞も未定・未回答を除いて試算し、河野氏は177票、岸田氏は94票、高市氏は86票、野田氏は25票とした。

 以上のように調査結果にはばらつきがあるが、最初の投票で過半数(事実上382)を得て河野氏が一発で勝負を決めるには、国会議員票382票のうち166~205票が必要になる計算である。国会議員票は、今回はほとんどの派閥が自主投票となることから読みが難しいものの、河野氏がクリアする必要のある上記のハードルは、国会議員を対象にしたいくつかの調査結果(後述)も考え合わせると、かなり高いように思われる。

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