宴は終わった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)
宴は終わった(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 「街角景気」の動向を政府に伝える役割を委嘱されている、全国の景気ウオッチャー。5月の時点で伝わった彼らのコメントを見ると、東京五輪開催が国内景気に及ぼす影響は、「ポジティブ」「ネガティブ」「よくわからない」で、意見が大きく割れていた(当コラム6月29日配信「東京五輪開催は景気を刺激? かえって悪化?」ご参照)。

 その後、東京五輪は予定通り7月23日から8月8日に、首都圏など多くの会場で無観客で開催された。五輪開催の経済的影響に関する景気ウオッチャーの認識は、実際に開催されてみて、どう変わった、あるいは変わらなかったのだろうか。

 五輪開催期間中だった7月25日から同月末にかけての7月の景気ウオッチャー調査の結果が、8月10日に内閣府から発表された。今回も、ウオッチャーから寄せられた、五輪開催と景気の現状判断を結び付けたコメント内容(内閣府発表資料にある原文のまま)を拾い出しながら、経済への影響を整理してみたい。

 まず、五輪開催の経済的影響をポジティブにとらえた景気ウオッチャーのコメントとしては、以下4つの類型が見いだされる。

○(類型1)「自宅での観戦に伴う飲食料品などの『家ナカ需要』」

<東北・その他非製造業[飲食料品卸売業](経営者)>
 「受注量や販売量の動き・東京オリンピックが始まったことが一般消費に良い影響を与えている。巣籠もりになるので家の中での食生活が多くなり、物量関係も伸びている」

<北関東・コンビニ(経営者)>
 「気温の上昇とともに、ドリンク等の売り上げや来客数も増えている。また、東京オリンピック効果で、在宅でテレビ鑑賞するためのまとめ買いも増えている」

<甲信越・コンビニ(経営者)>
 「東京オリンピックを自宅観戦するためか、飲み物を中心に、買い上げ点数が増加している」

○(類型2)「テレビやレコーダーの販売増加」

<東北・家電量販店(店長)>
 「AV商品、特にテレビなどは東京オリンピック需要などもあり好調に動いている。特に有機ELなどの販売比率が増えてきていることから、単価アップにつながっている」

<北関東・輸送業(営業担当)>
 「東京オリンピック需要により、大型テレビやBDレコーダーなどの物量が増えている。また、猛暑により夏物家電のエアコン、サーキュレーター、扇風機などの物量も増え、前年並みの実績を確保している」

<東海・家電量販店(フランチャイズ経営者)>
 「来客数はそれほど多くないが、東京オリンピックの影響もあってか50インチ以上の大型テレビや有機ELテレビがよく売れた。また、梅雨時に例年と比べ蒸し暑かったため、エアコンの動き出しも早かった」

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