次期米連邦準備理事会議長は、ジェローム・パウエル氏続投が濃厚?(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
次期米連邦準備理事会議長は、ジェローム・パウエル氏続投が濃厚?(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 筆者は以前からG7(主要7カ国)の中央銀行について、金融政策を決める上部組織のメンバーのうち女性が何%を占めているかを示す「女性比率」を継続的にウオッチしているのだが、2021年6月下旬に新たな動きがあった。現時点で「女性比率」が日銀と横並びの11.1%であるイングランド銀行(BOE)で、9月1日にこの比率が上昇する見込みになったのである(図1)。

■図1:G7中央銀行の「女性比率」(金融政策を決める上部組織のメンバーに占める女性の割合、21年7月6日現在)
人数 うち女性の数(具体的な名前・肩書) 女性比率
米国①(FRB) 6 〔欠員1〕 2 (ブレイナード理事、ボウマン理事) 33.3%
〃 ②(地区連邦準備銀行) 12 3 (メスター・クリーブランド連銀総裁、ジョージ・カンザスシティー連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁) 25.0%
ユーロ圏①(ECB役員会) 6 2 (ラガルド総裁、シュナーベル専務理事) 33.3%
〃 ②(各国中央銀行総裁) 19 0 0.0%
日本(日本銀行政策委員会) 9 1 (中川審議委員 ~ 6月30日就任) 11.1%
英国(イングランド銀行金融政策委員会〔MPC〕) 9 1 (テンレイロ委員)
<→ 9月1日からは 2(テンレイロ委員、マン委員)の見込み>
11.1%
<→22.2%>
カナダ(カナダ銀行理事会) 5 〔欠員1〕 0 0.0%
(出所)各中央銀行HPより筆者作成

 英国のスナク財務相は6月22日、金融政策委員会(MPC)の外部委員の1人であるブリハ委員(男性)の後任に、経済協力開発機構(OECD)のチーフエコノミストを務めた経験などがあるキャサリン・マン氏(女性)を任命すると発表した。任期は9月1日から3年間になる。

 それよりも前、20年12月には、カナダ銀行(中央銀行)の次期総裁レースで最有力視されていたものの敗北したウィルキンス上級副総裁(女性)が、任期が満了する今年5月を待たず退任するという動きがあった。その後、BOEが4月8日、同行で金融システム安定に関連するリスクを監視しているFPCの外部委員にウィルキンス氏を指名すると発表した。英国はこのように、他の国から金融のエキスパートを引き抜くことが少なくない。

日銀、女性の積極登用もあり得るか

 日本の政府も欧米同様、官民における女性登用を推進し続けているが、目標に沿って順調に進んでいるとは言い難い。日銀政策委員会の数字はFRBあるいはECB役員会の「女性比率」よりも低いうえ、今秋には横並びだったBOE・MPCの後じんを拝する見込みになった。また、カナダ銀行は空席になっている上級副総裁の後任を女性にすれば比率は16.7%で、再び日銀を上回ることが可能になる。

 日銀では黒田東彦総裁の任期満了が23年4月8日。雨宮正佳、若田部昌澄両副総裁の任期満了が同年3月19日である。それより前、22年7月23日には鈴木人司、片岡剛士両審議委員の任期が満了する。

 政府はいずれかのタイミングをとらえて日銀の「女性比率」引き上げに動くだろうと、筆者はみている。

 ここで、日銀の政策委員会について、角度を変えてトリビア的に考察してみたい。

 政策委員会のメンバー9人については、審議委員6人の出身業界、リフレ派かどうか、女性比率など、さまざまな角度から日銀ウオッチャーは考察を加えようとする。ここでは、おそらくあまり前例がないことであり、金融政策動向へのインプリケーションは皆無に近いとは思うものの、一つの試みとして、各政策委員がどの都道府県出身かを切り口にしてみた(図2)。

■図2:現在の日銀政策委員会メンバー9人の出身都道府県(日銀HPの記載による)
黒田総裁 福岡県
雨宮副総裁 東京都
若田部副総裁 神奈川県
鈴木審議委員 東京都
片岡審議委員 愛知県
安達審議委員 福岡県
中村審議委員 東京都
野口審議委員 北海道
中川審議委員 奈良県

 最大勢力は東京都出身者で3人(雨宮・鈴木・中村の3氏)。次が福岡県の2人(黒田、安達の2氏)。ほかは全て1人ずつである。

 地方別に見ると、関東が4人で最大勢力だが、過半数には達していない。北海道が1人、東海が1人、近畿が1人、九州が2人で、地域的なバランスはそれなりにとれている。

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