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世間はこれから忘年会シーズンだが……(写真:PIXTA)

 農林水産省は11月13日、政府による飲食店支援策「Go To Eat(イート)」2種類のうち、オンライン飲食店予約サイト経由でキャンペーン期間中に飲食店を予約し来店した消費者に対して、次回以降に飲食店で使用できるポイントを付与する事業の予約受け付けが、予算切れを受けて近く終了する見通しだと発表した。最後は駆け込み的に飲食予約が加速したもようであり、主なオンライン予約サイトは翌14日から画面上で、この事業によるポイント付与の終了をアナウンスした。

 昼食時間帯は500円分、夕食時間帯は1000円分のポイントが付与されるこの事業は、最長で21年1月末までポイントを付与する(利用は同年3月末まで)という触れ込みで、10月1日にスタートした。給付金として用意されたのは616億円。農水省によると、11月11日時点で延べ5000万人以上が予約し、ポイント付与額に換算すると400億円分以上になったという。

 当初は1日6億円程度というスローなスタートだったが、11月に入ると1日17億円以上にペースアップし、その後ラストスパート的な状況になった。農水省はこうしたペースアップについて、制度が周知徹底された結果であるとしており、「少額の飲食でポイント獲得を繰り返す一部の消費行動が原因ではない」とコメントした(時事通信)。結局、ポイント付与を最長で4カ月実施するとしていたこのキャンペーンは、その半分未満の約1カ月半で終了した。

 こうした動きをどうみるべきだろうか。キャンペーンに参加した飲食店の側からすれば、新型コロナウイルス感染拡大を受けた外出自粛ムードで客足が遠のいて困っている中で、いわば「干天の慈雨」になった面があるだろう。

 内閣府の景気ウオッチャー調査で「飲食関連」の数字を見ると、足元で大きく改善した。今回のキャンペーンが寄与している公算が大きい(図1)。

■図1:景気ウオッチャー調査 分野別DI 「飲食関連」(季節調整値)
(出所)内閣府

 だが、キャンペーンを利用する消費者の側では、スマホの扱いに慣れた人々による「お金がもうかる手軽なゲーム」的な感覚で使われた部分が大きかったように、筆者には思われる。

 農水省による11月13日のアナウンスにかけて、このキャンペーンを体験しようと、筆者も何度か試みた。実体験をいくつかご紹介したい。

ゲーム感覚で満喫した消費者

 ・焼鳥屋(夕方) ~ 友人と会食。2人分で2000ポイント入手。ある予約サイトはこのキャンペーンに参加しているお店だけをソートする機能がついており、行きたいエリアで参加店を選ぶのに、手間はほとんどかからなかった。お店側の対応もスムーズ。

 ・ステーキ屋(ランチ) ~ 上記と同じサイトで予約。店員さんが持っている予約者を書いたリストと照合して円滑に入店。土曜のランチタイムであるにもかかわらず、予約したお客さんが次々と訪れていた。1500円ほどのハンバーグ定食を注文。すでにもらっていた1000ポイントを使用したので、自己負担は500円ほど。

 ・タピオカ屋(昼間) ~ デザート系のお店でもキャンペーン参加店があり、夜にテークアウトの台湾料理とセットで注文することも可能だった。ただし、上記とは別の予約サイト経由のみ。500円を超えるドリンクを注文して、500ポイントを入手。店員さんから店内にポスターが張ってある火鍋のお店を紹介された。知り合いの経営なのだろうか。そこもキャンペーン参加店でポイントをゲットできるという。足を運んでみると、2人以上の予約で食べ放題を注文する場合のみポイントがもらえるというので、取りやめた。

 率直に言って、街で見かけたキャンペーン利用者の多くは、500ポイントや1000ポイントを今どうしても入手しなければいけないほど、手元にお金がなくて困っているわけではないだろう。